僕の詩

海の中


心を揺らす焦燥感

海の中を走るように

足は進まなくて

景色は変わらなくて

時間だけ 過ぎていく


疲れて足をとめると

波にさらわれそう

とても楽で 気持ちがよくて

案外悪くない

壁をふわりと避けて

揺られて


遠くにぼんやり浮かぶ

まばたきしたら見失いそうな 小さな光

私は はっと目を見開いて 目を凝らして

あるべき自分を思い出す


また身体に力を込めて

波に逆らい もがく

時になにかにぶつかって

疲れるばかりで

くじけそうになっても


その小さな光が

ほんの微かに光の量を増して

それに気づいた私は

何度だって

ただ存在することに抗って

光を求める


光に辿り着いた時

私が何を得るとも限らない


でもその光は

私が生きている意味 そのもの


(2013.11)

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