絵に現れるもの

 私はたまに、猛烈に絵を描きたくなる。


今がまさにその時だ。


ルンルン気分で描いているかと聞かれれば、そうとは限らない。


今、私が描きたいのは「女性と花」だ。


もちろん、華やかで明るいイメージのさくひんもあるが、むしろ悲しみが潜んだ作品が多い。


私は趣味で描いているが、アイディアスケッチもしないし直感で描くタイプだ。


だから作品が出来上がって初めて、その気持ちに気づくのだ。


「ああ、私は寂しかったんだ。」と。


私を見てほしい。愛してほしい。


その叫びは、やはり現在ではなく過去から聴こえてくるのだ。


置いていかないでと、洋服の裾を掴まれているようだ。



しかし救いなのは、今は寂しくないってことだ。


でも置いていったりしないからね。


私は私に伝え続ける。




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