おやぢ的 伝奇『てるてる伝説』

OKKUN

『晴れ』を待ち望む人たち


 雨が降りやまない国がありました。


 来る日も 来る日も 雨が降り続いています。

 その国の人たちにとっては それが普通です。


 雨しか 知らないのです。


 

 しかし、その国の人たちは 晴れを待ち焦がれていました。

 いつか、いつの日にか、この国に 晴れた日がくることを。



 

『晴れ』


 その国の人たちは 『晴れ』を知っています。


 仕事や商売で 他国にいけば、爽やかに晴れ渡る空を 見上げられます。


 この国に来る 行商人たちは、いつも雨が降りしきる この国をいぶかしり、晴れ渡る空の気持ち良さを語ります。




 晴れ 晴れ 晴れ。




 この国の人たちの 晴れた空に対する憧れは つのるばかりです。



 この国の王さまも、時折 他国へ出かけては、晴れた空を見上げて思います。


 こんな空を 国民に見せてあげたい と。

 

 晴れた空を見たい、この国の人たち。

 晴れた空を望む人たち。


 雨を降りやますために、王さまは ひとつの決断をしました。


 雨を降りやますために、諸国から行者を求めたのです。



 七日以内に、雨を降りやますことができれば、思いのままの恩賞を与えると、諸国に貼り紙を出したのでした。



 

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