24.選択死

死ぬ勇気などなくたっていい

生きる希望に全力で縋れば死ななくていいのだから


そうは思っていても死にたくなる時がある

死ぬ勇気を欲する時がある


惨めな自分とおさらばしたくなり

死を選択してどこか高い所に上ろうとする


それを止める手立てなどきっと幾らでもあるのに

それが如何に愚かな選択か自分では気付けない


手は差し伸べられていないと思うのは

上った高い所で恐怖のあまり目を瞑ってしまっているから


どうしても死ななければならない時が来る

その前に死ぬのも一つの手だと思いながらも二つめの手を探る


そうこうしているうちに日が暮れる

(また明日出直そう・・・)


そうして迎えた明日も日が暮れるまで悩む

死ぬ一歩手前で佇んだまま年をとる


生きる希望を明日へと託す

死を選択し切れずにいる自分はそうして縋るしかない

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