第44話 オーク討伐 1

 エクスは今日、B4ランクのオークの討伐依頼をレイ、エーシェ、ルクセンの4人で受けて、目的地に向かった。


 レイのランクは現在C3ランクであるが、指名依頼でもあるため、少し上のランクの依頼でも受けることができる。しかし、自分のランクより上の依頼を受ける際、単独で依頼を受けることはできず、複数人で受けることが義務付けられている。


 ちなみに、エクスのランクはレイより低いC4で、エーシェとルクセンのランクはD1であるため、B5ランクの討伐依頼を受けるには全く足りていないのも事実である。


 これはレイが複数のBランクの依頼を成功させている結果だ。それにエクス達が無理をするようなら、レイが止めてくれるという信頼からアシルはこの依頼を受けさせることにしたのだ。


「エクス、今回こそ私の実力を認めさせるから!」


 といつものようにレイはエクスに突っかかっていた。


「わかったよ。期待してる」


「——っ!?余裕なのも今のうちだからな!」


「はあ、あなたたちは仲が良いわね」


 そんないつものやり取りだったのだが、エーシェがそう口を挟んだ。


「「良くないっ!」」


「仲良いじゃない…はあ」


 エーシェは見慣れた光景すぎて、呆れるしかなかった。


「お前ら、戦闘の前から体力の消費はするなよ」


 ルクセンもエーシェ同様に冷静であり、エクスとレイを諌めていた。


 一番経験者のはずのレイが冷静さを欠いているのが不安なエーシェとルクセンであったが、エーシェは前のエクスがゴブリンキングを討伐するところを見ていたため、最悪エクスが倒してくれるとそんな期待をしていた。


 そのためレイがエクスに何か言い、それをエクスがトキトーに答えて、ということを繰り返しながら進んでいた。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る