・
組長さんの差し出した
その手の中のコオロギは
もう鳴くこともできなくて
プルプル プルプルつらそうに
ふるえていたけど
少し すこしづつ
組長さんのほうを向き
小さく ちいさく おじきをしたら
静かに しずかに 眠るよに
やがて動かず それっきり
組長さんと さようなら。
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