第5話 主人公(仮)の書いた、こんがらがった日記。
全ての事柄が過去になっていくのは、不幸だ。皆それに耐えて、死んでいくにしても。
時として"そんな"普通のことに耐えられずにいる、人もいるのだろ。
きっと僕はそうだ。全ての過去が牙をむき出しにして前方にはだかっている。
Aの個とに関しても亡霊はいつもすぐ側にいる。
まだ、生きてはいるSでさえ、彼女が誰かと眠りに就いている姿は僕を責める。
しかし、ながら誰も悪くないのだ。
誰しも勝手に生きとし生きているだけ。
包丁をもちながら、僕に迫ってくるやつはいない。でも、彼らは僕に牙を向けるのだ。
そして医者はいない。南北戦争でただ被弾した兵士の脚を切断するだけの医者もいない。
荒野をただ一人さ迷い太陽は上がらず、月は輝かない、この大地でさ迷い続け、
疲れはてても眠れずに、ただ啓治を求めてさ迷い続ける。
遠くに見える灯台からはそんな男が見えて、きっと、この世界の破滅を目にしている。
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