第20話 ジークとの再戦


「お、お前、なんでウチらが来ることが分かっとったんや。」テラとアリスは変化の術を解いた。


「おや、裏切り者の守護神か…それと、グランアンジェの魔法使いも。女王が命じたスパイだな。相手に見つかったスパイの末路は死刑と決まっているな。」ジークは剣を抜いた。


ジークは得意の真空波を剣から繰り出した。

テラとアリスは左右に分かれて避ける。

真空波は螺旋階段に命中して階段は崩れ落ちる。


テラとアリスはジークと下のフロアで対峙した。

フロアにはたくさんの兵が集まってくる。

二人は完全に囲まれてしまった。


アリスは強く何かを念じた。「ううう…」

腕に紋章が現れる。ジークは目を見張る。

「コイツはRE:LOADの紋章!賢者?いや、魔導士か!貴様ら気をつけろ!」


アリスの手に炎が宿ったと思ったら敵兵士に向かって飛んでいく。そしてまた次の炎が宿る。また飛んでいく。まるで炎のマシンガンのようである。


テラは「この姉ちゃん、何者なにもんや?

魔法は念じて放ってそしてまた使えるまで時間がかかるのに…まるで無限の魔法力やで。流石はグランアンジェで一、二を争う魔法使い…いや、魔導士やったな。味方で良かったわ。」とアリスを見つめた。



ミカちゃんに耳掃除をしてもらっていた僕は、突然、頭の中で自分を呼ぶ声が聞こえてビックリした。


「純さん、純さん。」「その声はアリスさん?どうしたんですか?」ミカちゃんもビクッとして驚く。

「敵に見つかってしまいました。兵士の数が多いのでこのままでは捕まってしまいます。何か良いお知恵はありませんか?」僕は一瞬どうしようとパニックになったが、とりあえず金属バットを持って、ミカちゃんと手を繋いだ。


「あまり期待は出来ませんが、僕達も闘います。そちらに呼んでください。」

「分かりました。」アリスは純や守護神の二人に戦闘に参加させるつもりはなく、相手が気をとられた隙にみんなを瞬間移動させるつもりであった。


魔法陣に飛び込んだ僕達はエルドラ王宮のアリスの側に現れた。アリスさんが僕達を気にした一瞬をジークは見逃さなかった。ジークは呪文を唱えた…


「傀儡くぐつの術!」「しまった!」


アリスさんは突然身体の自由を奪われ、その場に崩れ落ちた。テラちゃんも僕達もアリスさんに駆け寄る。


ミカちゃんが「こっちに来ないでよ!バカァ!」とカミナリを落とす。もちろんジークにカミナリは全く効かない。


ジークは「四人まとめてあの世に送ってやる」と言って剣を振りかぶった。

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