第2話 突然
「呼んだ?」
目の前にあの子がいた。
そう、死んだはずのあの子が・・・
でも、なぜ僕に見える?
「驚いた?」
「ああ」
女の子は笑っている。
まるで、生きているみたいに・・・
「私は、死んでるよ、本当に・・・」
「でも、どうしてここに?」
「君との約束を果たすため」
「約束?なんの・・・」
「デートの約束」
でも、それが原因で、彼女の未来は絶たれた。
僕を恨んではいないのか?
「恨んでるよ。本音はね」
「やはり・・・ね・・・」
「でも、私の未来を奪った事じゃないよ。これは、私の運命だもの」
「えっ」
予想もしない発言だった。
「女の子たちは、あなたを責めたでしょ?」
「さすがに、わかるね」
「あの子たちの事は気にしないで。女は群れる事で安心する生き物だから」
確かにそうだ。
でも、今回の事は明らかに僕に、否がある。
「私が恨んでいるのは、そこ」
「えっ?」
「君は自分を責めすぎ」
「でも、仕方ないよ」
「どうして?」
「世の中、自分を責めるか、他人を傷つけるか、二つしか選択肢はない」
これは、僕の経験上からえた、結論だ。
「ねえ」
「何?」
「もし私に実体があったら、今の言葉で君を叩いてたよ。思い切りね」
「どうして?」
「わからない?」
「ああ」
でも、もし彼女が生きているのなら、叩かれてもいいと思った。
変な意味ではなく、それが生きている証となるのだから・・・
「さてと。出かけようか」
「どこへ?」
「どこへって・・・デートだよ」
「でも、それは・・・」
彼女は笑う。
「君とデートしない限り、私は成仏できない」
「どうして?」
「もし、君が私に後悔の念をいだいているのなら、責任とって、成仏させてよね」
こうして、遅くなったが、デートすることになった・・・
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