第74話:会えない日

凛音目線――

 注意報が出るほどの土砂降りの雨の中、学校についた私はクラスの人の少なさに驚いた。

「ねぇ!凛音ちゃん!」

「どうしたの?」

「寮生って今日休みでしょ?」

「え?そうなの?今私親戚の家にいるから…。」

「じゃあ、なんで休みか知らないの?」

「うん。ごめんね。」

 寮生だけ休みなんて初めてだ。すぐに先輩たちに連絡をするが、いつもならすぐ返信する奇龍先輩さえも返信がない。蒼桜にぃに関しては昨日の夜からだ。

「えっと、今日は寮生が居ないから体育系は全て合同。他は自習にする。」その先生の声に不満げな態度を示していても、誰一人理由を聞けない。だって先生たちが戦闘服を着ているからだ。いつもならスーツやジャージなのに、黒軍の軍服を着ている。ということは、私達は今先生と生徒ではなく、上官と下官ということだ。

 自習をしながら外を眺める。雨はひどくなるばかりでこれじゃあ体育系の科目も自習だなとため息をついた。スパイ、戦闘、先生たちの服装…。

 全てが非常事態が起こっていることを告げていた。

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