第一章 決着
『エクス・ダークネス・ホーミル』『エクス・ダークネス・クロー』【魔鎧】
悪魔は次々に魔法を唱えていく。
魔力の鎧を身にまとい魔力球を浮かせ漆黒の爪を生やす。戦う力を持たぬ者が見れば死を連想するような姿だ。魔鎧で強化された脚力をフルに使い悪魔は飛び出す。その姿はさながら黒い閃光だ。
対してシルヴァは何もしない、一瞬とも表現できる速度で自分を殺そうとするものが近づいてきているのにだ。ただ吸配魔装が魔力を吸収している音が響いているだけだ。
時が進み今にも黒い閃光がシルヴァを貫きそうになった時、シルヴァは動いた。刀と爪が打ち合っているであろう音がし始め、その音がするたびに周りの草木が揺れ風が起こる。
悪魔は焦っていた。攻撃はすべて刀で止められ、周りに浮かせここぞというときに発射するはずだった魔力球も魔法で生成した漆黒の爪も【魔鎧】もいつのまにか消えているからだ。消えたことに気づかなかったわけじゃない、なぜ消えたかもわかってはいる。ただ脳や心がそれを認めたくなかったのだ。それを認めるということは自身の敗北を意味するからだ。
『さっきの魔法が消えたのは、マジックアイテムの能力か何かで何か制限があるとでも思ったか?お前ら悪魔が見下している人間もなかなかやるもんだろ。努力せず自分の実力に胡坐あぐらをかき相手をなめ切っているから今みたいな状況になる。人間は確かに弱い、最弱の種族といってもいいだろう。しかしそんな人間にも人々を守るために血を吐き恐怖に立ち向かい努力することで強者になった者もいるんだよ。』
『万死絶剣』
その言葉を最後に戦いの幕は閉じた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます