第一章 深夜徘徊

誰もが寝静まった頃、一人の少年が動き出そうとしていた。




エレン「さて今日もいつものやりますか、【全知なるもの】みんなちゃんと寝た?」




・・・・・・・・はいシルヴァ様やカレン様召使いの方々も寝ております・・・・・・・・・・・・




「よしスキル【気配断絶】発動」




気配断絶


気配遮断の上位スキル




これは五歳の頃からこうして夜中に屋敷から逃げ出して秘密の特訓をすることで手に入れたスキルだ。最初のころはよくばれていたが三年もたち【気配断絶】を手に入れた今ではバレずに屋敷から逃げ出すこともお手の物だ。




スキルはスキルごとにレベルがあり、スキルに応じた行動をすればするほどレベルが上がっていく


レベルが10レベルに達すると上位スキルが目覚めるのが基本だ。ただスキルによっては、条件を満たしていないと上位スキルは目覚めない場合もある。




【気配断絶】もそのスキルの一種だ


【気配遮断】は訓練次第でだれでも手に入るが、【気配断絶】は気を使えないと入手できないスキルだ。




「みんな体に宿してるっていうのになんで人間は気を使えないんだろうなー」




・・・・・・・・・・・・・・・皆さん魔力を最初から宿してるからですよ、さらに言えば宿してなかったとしても人間は基本的に気は使えない種族ですし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




「俺が使えるのは【器なるもの】の環境適応能力のおかげかーちょっとは役に立ってくれるんだな」




・・・・・・・・・・そうですね毎日あんな激しい戦闘をし、なおかつ毎日強力な魔力の波動を身体に受けていれば普通身体は壊れてしまいます。だから私は夜に鍛えることをお勧めしたのです。そうしてなければ環境適応能力が発動せず身体は崩壊していたでしょう・・・・・・・・・・・・・・・




「え、いつの間にか俺死にそうになってたのか【全知なるもの】助かったよありがとう」




・・・・・・・・・・いえいえ、私はただのスキルですから感謝など不要ですよ・・・・・・・・・




「【全知なるもの】はもうちょっとほんわかな性格になったら完璧なのになー」




・・・・・・・・・・・・スキルによる意識体なのですから、さすがにそこまでは無理ですよ。エレンさんこそ昼間と夜でどうしてそんなに口調が違うんですか?・・・・・・・・・・・・・・・・・




「意識はしてないんだけどなー【全知なるもの】としゃべってると自然とこうなるんだよねー」




・・・・・・・・・・・・・・・・これは響さんの影響ですかね・・・・・・・・・・・・・・・




「ん?なんか言ったか?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る