実話怖い!偏った思想の生活はかくもハードなのか~Educated 邦題『エデュケーション』
“Educated”by Tara Westover
(日本語版では『エデュケーション』)
図書館で借りた、ちょっと前の話題の本。
ケンタッキー州でスクラップ屋を営む陰謀論信奉&サバイバリストの家で育った女の子のノンフィクション。オーディオと本両方で読みすすむも、怖過ぎて胸糞が悪くなる。
子供たちは学校行ってない。お母さんは無免許の助産師でホメオパシー使い。お父さんはY2Kで世界が崩壊すると信じ、ガソリンと非常食を地下に埋めてはイルミナティが世界に暗躍してると信じてる。
女の子二人と男の子三人の兄弟で、兄の一人はさっさと高校卒業資格を自力で取って、カレッジに脱出。
何が怖いかってここの家族、事故が多い!
寒い季節になると暖かい地方に車で長距離移動するんだけど、シートベルトしないから、事故ってお母さん頭うって、記憶障害と視力低下。でも、病院行かない。
長男、ガソリン入れ替え中に服に火がつきやけど。でも病院行かない。
お父さん、これまた大やけど。
マジで病院行かない。
3男、バイクで事故って頭に穴。妹のタラ(作者)がテンパって病院に連れていき、お父さんに怒られる。
作者のタラ、兄がけがしたので屑鉄の山を整えるのを手伝わされ、鉄屑が太ももにささる。10歳とかそこらで。父さん無茶させ過ぎ。
で、子供の年齢をね、お母さん覚えてないんだと。出生届出さないから。車に乗る必要が出てきたときにようやく出すんだって。お父さんイルミナティ信じてて政府は操られてると思ってるから、政府関係のものは全部信じない。電話も、お母さんの仕事に必要だったのでしぶしぶひいた。
でも神に対しては信心深いから、けがしても神の御心に従うらしい。因みにモルモン教ね。
何が怖いかって、作者と長女が三男に性的虐待をうけたことを話したら、父さん
「証拠を出せ」だって。身内なのにな。三男は普段から気にいらないことがあると妹の腕を締め上げ、頭を便器に突っ込もうとしたり、自分の彼女にも無理な要求をして自分の言う事を聞くか試したり、もう行動が精神が不安定なDV野郎。でも、お父さんは男の子の方が大事なんだねえ。おなじ自分の子なのに。
そしてなんと言っても一番怖いのはこの家族が実在するという事、作者の実家はお母さんがホメオパシーのオイル販売で成功して、ミリオネアになり、今もオイルの販売をしている。
キーワードをいれれば簡単に会社のホームページを見つけることが出来てしまった。
しかも、本まで出している。
その名も「Educating」
作者のタラは英ケンブリッジ大学に行って、ゲイツ財団の奨学金まで勝ち取った才媛だ。タラの功績はは自分たちのホームスクールの成果だと言ってたそうだから、そういうことが切々と書いてあるんだろうか?
結論を言うと、タラは両親の呪縛から逃げ切れてないと思う。説得すれば家族が自分を受け入れてくれるんじゃないか、カウンセリングを受ければ父と兄がまともになるんじゃないかと、そう思ってる。先に家を出た兄貴はもう関わらない方がいいって言っても。
私がノンフィクションをあまり読まないのは、こういうところが嫌だから。
洒落にならない現実が、現在進行形であるということに、ショックを受けすぎててしまうの。
ここから加筆ーーーーー
2021年になってこの本の日本語版が出ていることを知った。
でもタイトルに違和感。
Educated だと
1-Taraは一般的な教育をされていなかったまたは偏った教育をされた
2-Taraは家を出て初めてまともな教育を受けた
というふうに取れるけど、
Education だと単に
教育
まあ、一般的に理解されやすい文言にまとめたって事かな?
さらに帯の文も違和感。この本勇気づけられるような内容だっけ?近親相姦とか、DVとか辛い経験満載で、教育受けて自分の家族はおかしいと気づいたって話でさらに父と兄にセラピー受けさせようとして拒否られる話なんだけど?日本語版ではマイルドになってるの?かなりキツイ話ゆえか、goodreads(レビューサイト) では実話と信じないっていう人もいるくらいよ。
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