第2話 カフェでの待ち合わせ
手紙に書かれていた彼女の名前は加藤結衣(かとう ゆい)。
あの時一度見ただけの印象だが、ストレートロングにハッキリした顔立ちで艶のあるピンクのリップが着ていたワンピースと同じ色で女の子らしくて可愛いなあと思った。
添えられていたSNSのアドレスからドキドキしながら連絡をしてみる…
「あの…今日、お手紙を頂いた宮田です。
内容を拝見しました。正直…驚いています。
あっ!!…その…嬉しい方で!!
こんな事は初めてなので…すみません…
失礼なのは承知の上ですが…
何度思い返しても思い出せなくって…
何処でお会いしました?」
というメッセージを送ってみる事にした。
…て、手が震える…
暫くして…
ピロロン!
僕は自分のスマホに飛びついた…
突然の手紙で驚かれたと思います。お許しください。とにかく一度会って話して頂けませんか?
という返信だった…
自分をどこで知ってくれたのだろうか?
とにかく会って話を聞いてみたい。
僕は喜んでOKした。
クラスにそこそこ仲の良い女の子はいても付き合ったことはない自分にとって、こんな手紙をもらえたのは初めてだ!!
しかもすごく可愛い子だったなあ!!
何をしても手につかず、ドキドキしたり、ワクワクしてみたり…
約束した日までの時間、結衣と連絡したメッセージを見返してはため息が出た。待ち遠しくてなかなか眠れない日が続いた。
ようやくその日になり、地下鉄の駅から地上に上がり、結衣ちゃんの待つカフェに向かうことにした。
六月なのに雨が少なく、綺麗な夕焼けを見ながら四条の橋を渡った。
「もうすぐあの娘に会える。」
期待に胸が高鳴る反面、
自分に自信が無いせいなのだろうか…
「あの…私、視力が悪くて…コンタクトで…すみません。人違いでした!」
なんてオチが待ってるんじゃないか?
でも…とりあえず話してみるまで分からない。
他人から見ればつまらないだろう自問自答の末、待ち合わせのカフェにたどり着いた。
奥の方の席にあの娘の姿を見つけた。
深く息を吸い込んで…彼女の方へと歩み寄った…
「あの…お待たせしました。この間はお手紙ありがとうございました。」
そう言って 僕は向かいの席に座った…
今日は白のブラウスにタイトなジーンズ姿…
こういうラフな服も似合うなあ…
一段と大人っぽく見えるよ…同い年かなあ?
再び目にした彼女はさらに可愛さを増していて…
非現実的なこのシチュエーションへの疑いの度合いもさらに増す事になってしまった…
「いえ…今日はありがとうございます。
あの…」
ゆっくりとした口調から彼女は少し恥ずかしそうな様子で…
「いきなりなんですが、お付き合いされている方はいるんですか?」と僕に問いかけた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます