徒名草ノ上デ君ハ笑フ
@Shigure_saka
第1話 謎ノ少女
小さな頃、僕は幼馴染に毎回泣かされていた。
とある日、僕はその子と口喧嘩をした。
僕の言葉に対していつも一歩も引かずに言い返す。
ただただ、意味もなく、他愛のない些細な事で喧嘩をした。
だが、別の日、その子は僕に対して、「もういい、もういい。」しか言わなくなった。
僕はずっとその子の悪口を言い続けた、小さな事からその子の外見までも貶した。
しかし、その子はその言葉を受け入れた。
あの頃の僕はものすごく、儚い少年だった。その少年は青年に変わり、青年は成長を続けた。
内見もまだ、変わっていた。
———エラ・・・!
———————エラン!!!
怒鳴り声で自分の名前が呼ばれている気がする...。
欠伸をしながら起き上がるとそこには同日入隊予定のフェアレス・サーシャがいた。
起こされたのには理由があった。
まず、フェアレスが起こした理由は
1、本日入隊試験があること。
2、試験準備をしないといけないことだ。
試験準備なんてする必要があるのだろうかと疑問になっていたが。何となく心を落ち着かせるために瞑想をしてみた。
何となく、周りを見てみると泣きながら神に祈る者、もう少しで入隊ができると思っている者、嘆き悲しみながら狼狽える者。
なぜそんなに怖いのだろうか?
ただの試験だ。気楽に行こうと俺は思った。
今になって思い出す。俺には妹が居た。物心ついた時に親の事情で離れ離れになった。
妹・・・今どこで何をしているのだろうか・・・
そんな事を考えながらとある視線を感じた。
奥の柱に隠れ、ずっとこちらを見ている少女。こちらから目を合わせようとすると、すぐそっぽを向く。ならばこちらから近寄っていった。
「どうしたの?ずっと俺の方を見て。何かあったか?」
俺から話しかけてみる事にした。
彼女は慌てながら口を開く
「あっ・・・いえ・・・」
すごく不自然な動きをしながら慌てている。
俺が名前を聞くと少女は「レイリラ」と名乗った。
次は俺の名前を教えた。
「俺はエラン、エラン・エヴァトニック」
するとその少女は俺の名前を聞いて、何か、妙に悲しい顔をした。
俺が何かしたのかと思い、慰めようとしたら、走って部屋へ行ってしまった。
女の人の考える事はよくわからないなと思った。
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