あとがき

おれには名前があります。

完治と書いてカンジって読むのですが、

よくカンチと間違われます。

意味はどんな病気にも勝ちますように。

とのこと。

病気かかる前提かいっ!(笑)

って思いましたが、普通に風邪ひきます。


そんな感じで、熱を出したときによく思い出すのが

おれが小学生でドラゴンクエストが大好きだった頃のこと。

負けず嫌いだから、主人公の名前を"国王"にしていました。

ですが、やっぱり負けるもんは負けてしまいますね。

だから学校は休んでも、冒険は休みませんでした。

いきなりのラスボスには勝てないから、

毎日コツコツと経験値を稼いで、いろんなモンスターと会っては配合していました。

結局どんな感じで完結したのか、

いつ眠りについたのか、なんてもう分かりません。


最近だと、高校を卒業して、よく地元民で遊びに行っていた

カラオケの店員をしています。

10代ながらも10年以上の付き合いがある友人がスーツに食べられていくのを

横目にコンビニ弁当を食べていました。

おれの地元は就職率がとにかく高いのに比例して、

卒業と共に嘘になるべくのまたねを頻繁に使う日々です。


おれには夢があるから。

なんて、友達が見えなくなっていったおれに残る

悔しさと虚しさだけが最後の幼馴染みです。


永遠のテーマみたいので、"なぜ生きているのか?"というボスキャラ的な

問いが、存在しますが、そんな日々の中で最近よくすれ違うんですよね。

例えば、駅のホームで肩がぶつかった時のように睨み付けてくるんですよ。

必死に目をそらしながら、接客するおれの目は泣いていたのでしょうか。

小さい女の子がおれの目を見て”涙”と言いました。

違うよ、お絵かきしてるんだよ~って笑いかける、そんなおれが大嫌いです。


いや、意識的にはそんなに嫌いとは思っていないのですが、

本能的に嫌いらしいです。

魂と肉体は別の物って、よく言いますが、

もしそれが本当なら、うん。

魂の方にクソほど嫌われているようです。

はやくおれを出せってずっと言ってくるんです。


名前にも意味があるように、

なんとなく作り始めた服にも、なにか意味はあって、

それこそ本能に近いものだったような気がします。

これは間違いでも図星でもあるかもしれません。


もしも。

もしも正解なら衣装だけの製作に縛られず、

文章、絵、造形にも派生することは必ず成功します。


初めて、おれから逃げ出したおれを保管するカバーの檻に閉じ込めました。

どういった構成にすれば読みやすくなるのか、

どうすれば伝えたいことを生かしたまま、読み手の解釈と配合できるか。

吐く時の疑問に凹凸はいくらかありましたが

なんとか(汗)納めることができて、純粋に嬉しかったです。


直接的に人から、文の作り方を教えてもらうことはしませんでした。

その代わりいろんな人と話したり、あまり自分から足を運ぶことのなかった展示会やイベントにもいってきました。

頭の良い人、知らない人同士の会話、終末的な展示会、個性的なイベントなどなど、。


その中で、人との会話や作品、音楽、道に落ちてるゴミにすらカロリーが

あることが分かりました。

例えば、幼馴染みとのしょうもない会話は楽しいけど、途中で飽きてしまう。

0カロリーの寒天ゼリーなんかに近い気がします。

計算された校長先生の話をみんなで聞いているとき。

栄養バランスのとれた給食みたいです。

いつも聞いている音楽と音楽の隙間にできる空白。に聞こえた、車の音、街の雑音。

妄想から現実へ、社会の音は苦いバジルのようでした。

たまに好きな話が出ると食らいつくから

趣味こそ最高の調味料であり、空腹なのだと思いました。


しかし、それも食べ過ぎてしまうと疲れてしまいます。

おなかがいっぱいになる、

または、味自体に飽きてしまうかもしれません。

なので、食す(インプット)と 創作(アウトプット)の

バランスがとれる人間関係は輝いて見えます。


あなたはいますか?


おれはいます。

おれにはおれがいるから。

何もしていない時間に説教をして、刺激を。

悔しさと虚しさを握りしめた拳で

怒りの溜まったしわ寄せの眉間を砕くのです。

壁を砕いておれからナニカへ、創作を。

それが理想の自分に近づくための手段であり、

愛のある近道なのだと、信じています。


そんなこともあって、1冊の構成を

おなかを壊さないために前菜から始めて、

メインのステーキ。食べやすいように小さくカットしました。

今読見終わるのがちょうどデザート時になります。

文章兼創作料理をイメージして作りました。


このカロリーの行き先があなたの目であり、胃であり、空気でありながらも

廃材的存在でありますように。


そう願いをこめて最後の一詩を、次のページに書きました。

口語体はここまでになります。


改めて有難うございました!



キョウダカンジ

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