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「・・・後はここの色を調整して____っ!?」
一人の少年が自室に備え付けてある、液晶ペンタブレットの画面をペンでタッチする。無数のレイヤーを
目の前の画面に向かって、黒い曲線を《何千線》も描き続けひとつの線にする。それだけをただ繰り返し、
そして、左右を行き交う右手は日々の
「あと少し・・・あ・・と・・・・・・少____」
気づけば少年の体は
右手に力が入らない、それに体にも・・・まるで生気を
「あぁ、死ぬのかな・・・?それでも別にいいんだけど・・・・・・」
少年は少し
「俺もあんな風にゆっくりと安らぎを
そこで意識はシャットダウンされた。
____________________
疲労ですね
しばらく休んでいれば疲労の面はすぐ直るでしょう
ですが________
____________________
「うんっ?____はっ!」
辺り一面、真っ白な壁で、いつの間にか横たわっていたベッドも白く、レイヤーの様な壁とベッドに
「こんな所にいる場合じゃ・・・・ない・・・!」
「こんなところで時間を使うのは____」
だけど、そんな感情はもう一つの心の揺らぎで消え失せた。
(でも、死ねた方がまだよかったのかもな。イラストを描くのは好きだったけど、逆に言えばそれしか好きじゃなかった____人として生きるのは辛くて苦しくて悲しくて・・・・・・・・そんな感情をただ消すために描いていたとこもろもある)
そんなことを思い始めると徐々に
しかし、外も先ほどの部屋と同等で無限の白が広がっていた。
それから先の事は記憶になく、少しずつ景色が薄れ再びあの時の様な感覚に襲われる。
「また・・・この感覚、あっ今度こそ本当に死ぬのかな?それじゃあ・・・・・・?」
(結局、俺は夢を叶えられず、何も生み出さず、死んでしまったのか・・・・)
どうしようもならない後悔と変えることのできない運命に壊れ始める心を必死に保とうと左手を胸を握る様にして、走った。
走って 走って 走って
走って 走って 走って
走った
そうして、いつの間にか空には
「もう何も思い出せない」
二度にわたる意識の喪失と体の異常で心は決壊し、そうして少年は悟った。
死んだんだ______
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