第十七話  南京夫子寺の地下

第十七話  南京夫子寺の地下


趙永安:「この墓の主人は、蔡家族のある祖先の友達であると穆炎はいつも思っている。蔡家族がこの友達を記念するために、穆炎という名前をつけたと思っている。」趙永安は言った。「しかし、彼は自分の墓であることは知らなかった。彼はとっくにあの記憶を失ってしまった。」


千守は驚きながら、趙永安を眺めていた。


趙永安:「穆炎は诺雲を連れて中原の戦乱から離れ、匈奴の域内に10年間生活した。彼は元々砂漠の中の蛇で、生まれながら匈奴の言葉がわかる。」趙永安は言い続けた。


千守は、穆炎が階段口のところで自分が空に浮かんでいる時、自分を眺めた目つきを思い出した。


いま、穆炎がその自分の家を守る神様かどうか、千守は自分もわからなくなった。

この時の穆炎は、世の中の他の男と同じように、感情のために千守の対立面に立つ。しかし、三生石の上に、自分の運命の人が明らかに李雲知だ。これは、穆炎が自分の目で見た。


ふと何か思い出したように、千守は、「実は、一つずっと聞きたかったの。なぜ、雲知の前世は2200年前なのか?とっくに数十回繰り返したはずだったじゃない?前回、少なくとも100年前だったじゃない??」


趙永安はちょっと驚いて、それから「ハハハハ」と大笑いした。


千守は、ぽかんとした顔をしていた。「ねえ、教えてよ!なんでこんなに笑ったの!?」


趙永安:「あなたは穆炎と同じ質問をしたから、笑ったの。」


千守:「彼もこんなふうに聞いた?だけど、妖怪である以上、知らないわけがないじゃない?」


趙永安:「妖怪だけど、仏様から逃げ出すことができない。況して、あなたが事故にある前に、彼は自分がどの世を過ごしたかも知らなかった。」


千守:「なに!!!?」


趙永安:「これは、なぜ彼があなたと一緒に雲知を見た時、彼女を知らなかった原因だ。」


千守:「じゃ、彼は、今、すべてを知っているということか!?」


趙永安は頷いた。「あなたが遭遇した事故は、あなたと関連するすべての人々の記憶に触れた。また、その記憶を蘇らせた。その蛇も含まれている。元々仏様が封じた記憶が、あなたによって、開かれた。」

趙永安:「彼が思い出した時、あなたと同じような問題を聞いた。」趙永安は頭をあげ、遠方を眺め、当日の情景を思い出した。


当日 摩靳


穆炎;「ずっと聞きたかったが、なぜわたしは恒诺雲と一生しか過ごさなかったの?その後の千年以来、わたしの傍にずっと現れたことがなかった。彼女の夢の中での前世も、西漢の一生しかなかったの!?まさか、千年以来、彼女は生まれ変わることはなかったか?なぜ、いまの頃、蔡允が現れてから、彼女は現れたか?」


趙永安はほほと笑いだした。「この現象は確かに人を困惑させた。西漢時代、蔡允は人を殺し過ぎたので、死んだあと、地獄で2000年間の罰を受けた。ようやく生まれ変わる時、また一つの問題に直面している。知っていると思うが、特に中国では番を待つのはとても辛いことだ。だから、自分の番を待つには、また200年過ぎた。。。」


穆炎は額に手を当てて目を閉じた。


穆炎:「それじゃ、李雲知は?」


趙永安:「李雲知?或いは恒诺雲は、蔡允とあなたの二人にとって一つの試練といえる。だから、蔡允が再び 綸回の一回目の一生には、恒诺雲は綸回できる。」


穆炎:「わたしと蔡允、つまり千守にとって一つの試練?」


上海 雲知の家の応接間 夕方


雲知は目が覚めると、ぐうぐうとソファーの傍の床に寝ている雲燦を見ると、ぼんやりとした顔をしてどうしたらいいか分からなかった。彼女は頭を下げ、寝る前の情景を思い出そうとしたが、頭ががんがんした。


雲知:「ああ、頭が痛いわ!」雲知はふらふらしながら立ちあがろうとしたところ、突然パターという音がして、何か地面に落ちたようだった。雲知は頭を下げ見たら、足元に落ちたのは、なんと経年の羊の皮とは。


それを拾って掌に置くと、    が目に入った。どうも女性が恋人あてに書いた詩のようだ。

「绢のような小雨がちらちらと舞ううちに、青空が段々暗くなった。

西域からの風がのれんを巻き曲げ、君と半生を過ごしてきた。

山並みが千キロと延々に続き、君の手を取り笑いながら山河を見ているうちに、

また一日過ぎた。」


雲知:「山並みが千キロと延々に続き、君の手を取り笑いながら山河を見ているうちに、

また一日過ぎた。」雲知はぼんやりとしていた。「これは、どうも恋愛詩のようだ。西域の風とは、匈奴のことじゃないか?」


学校の階段口では、雲燦と一緒に転んだ時、目の前に現れた西域のおじさんがふと頭の中には浮かんできた。正に先日の夢の中の人だった!


雲知:「穆。。。。。。穆隊長!」雲知は思わず驚きの声を出してしまった。


雲知:「ちょっと待ってちょっと待って」雲知は応接間に行ったり来たりしていた。夢の中で、馬に乗って兵営のテントに強引に入ろうとした時、テントの中からゆっくり出た人を思い出した。


雲知:「穆。。。。。。穆隊長!」「なんで、またこの人か!?」雲知は、いらいらした。


雲知:「最近はどうしたの!?なんで穆隊長ばかり夢の中に現れたか!!!?」


雲知は納得できずいらいらした時、床にぐっすり寝ている雲燦をちらっと見た。彼女は急いで前に行って、「お兄ちゃん!。。。目が覚めろう!早く起きろう!!」

雲燦はぶつぶつして、なかなか目が覚めたくなかった。

雲知はいらいらして、彼の肩をつかんで一生懸命に揺れた。「お兄ちゃん!お兄ちゃん!はやく目が覚めてくれ!」


数秒後、雲燦はようやく目が覚めた。彼は瞼を垂らしながら雲知を見た。「え?。。。我々の雲知じゃないか?」


雲知:「お兄ちゃん!我々は階段から転んだ後、あなたがわたしを背負って帰ってきたか?」


雲燦:「え?階段?転んだ?」雲燦は目が覚めてないような顔をしていた。


雲知:「そうだよ!今日、あなたは放課後、わたしに階段口まで追いかけてきて、様々な質問をして、うるさかった!その後、我々は階段から転んできた!」


雲燦:「なに!?。。。」雲燦はちょっと眉をしかめて、「すいません、覚えていない」という臭い顔をしていた。


雲知は白目をむいて、再び雲燦の肩を揺れた。「まさか、少年痴呆症でもなったのか!!?ねえ、我々は階段から転んできた後。。。。あなたがわたしを背負って帰ってきたのか?」


李雲燦は雲知に一生懸命に湯がれ、地面に落ちる前に、穆炎が空に現れた場面がふと目の前に閃いた。


雲燦:「あの男!」雲燦は急に目が覚め、一気に立ちあがった。雲知の驚きの目つきを見て、彼は、しばらく躊躇って、何も言葉も出なかった。「朝彼女の後ろについた時、池の傍で見たまぼろしと雲知に言うか?それから、彼は我々の間の空に現れたと言うか?!!」と彼は思った。


雲知:「あの男!?どの男と言った?」雲知は近寄って聞いた。


李雲燦は慌てて雲知をちらっと見て、それからため息をついた。「ええ。。。おそらくわたしは少年痴呆症でもなったかもしれない。」

先ほどの言葉を聞いた雲知は、ショックを受けて、まるで霧の中で明かりを見たようで、相変わらず「あの男は、どこで見たことがあるか?」と諦めなかった。


これを聞くと、雲燦は思わず驚いてしまった。「まさか、雲知も見たか?」と心の中で思った。

そして、「どの男?」と聞いた。


雲知は瞬きした。「先ほど言ったあの男。」


雲燦:「下の門番のおじさんは今日、変わった。」


雲知:「ええ。。。」雲知は期待を膨らせた目が急に暗くなった。



遠山中学校の高一三組の歴史授業の中で、先生は西漢七ヵ国の戦乱について講義していた。


先生:「文帝の時、呉太子が長安の朝廷に入ったが、言い争いによって、漢太子の劉啓、つまり今後の景帝に碁盤で殺された。呉王様はこれで心に怨みを持ちはじめ、病気を言い訳にして朝廷に出て政務を取らなかった。また、彼は諸侯、宗室及び大臣を大いに賄賂し、今後の謀反のために様々な準備をしておいた。」

「呉国は五十以上の都市を持つ大国である。呉国は彰郡では銅を産出し、海に近い所では塩を産出しているので、貨幣を鋳造したり、塩を販売したりしていた。特に、鋳造された貨幣は西漢の域内全体に流通していた。呉王様は課税せず、民力を養い、(注釈:国家に大変動・大変革があったあと,人民の負担を軽減し,生活の安定と生産の発展を図り,活力を回復させること.▼“生息”はもと「人口を増加させる」の意味.)、朝廷が集めた労働力をすべて断ったため、呉国の百姓に愛された。景帝三年、景帝は晁错の「削藩令」を受け、呉王様の会稽 豫章と二つの郡を削ろうとしたが、呉王様は缪西、楚、趙、缪東、淄州,济南の六カ国と聯合し、匈奴と癒着して「主君の側近の奸臣を除くため、晁错を殺すよう」という名義を持って、反乱を起こした。20万人の兵士を派遣した。」


李雲知は講義台の下で、頬に手を支え、真面目に聞いていた。


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