第74話 活動休止⑥

 「それでいつまで活動休止にする?」

 「高校を卒業するまで」

 俺の質問に桜井さんはすぐに答えを返してきた所に少し驚いた。

 「うん。それくらい経ったら、ほとぼりも冷めているから丁度言いた思う」

 「…違う…」

 小さな声で桜井さんが何かを言った。

 「えっ。ごめん。何て言ったからわからなかった」

 「な、何でもない」

 そっぽを向く桜井さん。

 しっかり聞き取れなかったことに怒ってしまったのか?

 すぐに謝る俺。

 だが、桜井さんがこの時そっぽを向いていたのはただ単にテレていただけで本当は 

 「(…本当は優希と青春がしたいから活動休止したいなんて言えないよ〜)」

 と思っていたのに気づけていなかった。

 

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