第57話 無力⑤

 『はぁ!桜井さんがどっかに行った!?』

 思わず電話越しに叫んでしまった。

 『…落ち着いて…光ちゃん』

 そう言われるも落ち着いてられない。

 今は優希探していて忙しというのに桜井さんまで探さないといけないとなるととても4人じゃ探しきれない。

 『全く、誰だけ世話の焼ける2人なのよ。とりあえず、そのまま2人で桜井さんの行方を追ってみて、もしかしたらまだそんなに遠くに行ってないかもしれないから』

 『…分かった…切るね』

 「…はぁ」

 大きいため息が出てしまった。

 「光先輩。流石に監視カメラの映像は一般人には見せれないですって」

 相馬が交渉から戻ってきた。

 「…私が交渉する」

 3時間後

 「相馬、行くわよ」

 「どこにですか?」

 「監視カメラの映像を見せてくれるって」

 「(…光先輩はいったどんなマジックを使ったのであろう)」

 相馬は心の中で思ったがおいて行かれそうになったので口にはしなかった。

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