貫通


頭を撃ち抜かれた

頭を撃ち抜かれた

あーあ

そんなこと思う間も無く

頭を撃ち抜かれていた

窓辺でうたた寝していた

隣接する建物の屋上から狙撃された

つまり頭を撃ち抜かれた

それが始まって終わった

気付けばわたしは死んでいた

厳密に言えば過程が無かったわけではなかった

まず最初にわたしの頭蓋骨が砕かれた

そしてその前に弾丸と毛穴が触れ合った

「よろしく」

「よろしく」

すぐに離ればなれになった

やがて弾丸は脳まで到達した

貫通して反対側から飛び出した

わたしはまだわからない

わかった試しがない

だから今でも自分が生きているような気がして動作に不具合が起こるのだ


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