貫通


おれは弾丸を撃った

お前は死ぬと思った

だがこの世界はもはや

常識なんて受け入れる気は無かった

全部、嘘だった

お前は空気をぺろぺろと舐めていた

貫通しているのに

おれが狂っているのか

それともこの世界が狂っているのか

地球は疑問符を浮かべながらぐるぐると回る

確かめたことなんて無いが

おそらく今この瞬間も回っているのだろう

そういった前提に関しては

疑ってはいけないのだ

どちらにせよお前の胸に穴が空いた

今はそこに風が吹いている

何も感じない素振りを続けるならそれもいいさ

もうこれ以上、おれには何も出来ない


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