おれたちの果物
おれたちの果物があった
それは握り潰された
「ふわああっ」
おれたちは叫んだ
汁が飛び散った
まるでおれたちの果物ではないような素振りをするのはやめろ
果汁が目に入った
瞬きもせず凝視していた
こんな時どんな表情をすれば良いかわからなかった
ひたすら目の前の空気の匂いを嗅いでいた
電柱と酷似したおれたちに輝かしい未来は用意されていない
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