大型連休
さらさらヘアーになるのに失敗したわたし
生きる気力を無くし暴飲暴食暴眠
ポッキュイを十三本まとめて頬張ったり
バターロールにマーガリンを塗って仲良し
大型連休
それなのに予定は何も無い
パパリンとママリンは「そこら辺で遊べ」と素っ気ない
オトウトリンは笛の練習
「また寝ることにするか」
退廃的にそう呟いたあとわたしのスマーホホンが震えた
友達みたいなそうじゃない奴から
「もしも」
わたしが言い終わる前にそいつは一方的にまくし立ててきた
「すごいよねえ今朝の新聞のチラシ見た? アメ舐め放題、これはもう行くっきゃないっしょ、神々を殺したあのヤマトタケルでさえ強制参加も頷けるう、土日は鹿狩り間に合わないかもしれないけど大丈夫、ミスターの側近が近々、死ぬらしいからその分チケットは余ってるっしょ、希望は捨てるな、あの毛深い方の田中………あ、これは言っちゃいけなかったのかな? ジャングルの奥地で先週、現地の人に処刑されたらしいよ、だから今わたしたちが教室で見ている田中は霊体なんだって」
わたしは電話を切った
狂っていた
よくある
かもしれない
まあいっか
ママリンがいつのまにか背後でトーストをむしゃむしゃ食べていた
「何処か行かないの?」
「なんかさあ、わたしの友達って頭のおかしい奴ばっかりだからまた寝ることにする」
「ああそう、じゃあおやすみ」
それ以上、追求してこなかった
理解のある親で良かった
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