処刑


おれは

これから殺されようとしていた

身に覚えのない罪を被せられて

おれの頭上では

鳩がパンティー咥えて飛んでいた

ははっ

世界は今日も晴天だった

おれが死ぬってのに

そよ風がまだちゃんと花や葉を揺らしていた

小鳥がちゅんちゅんと鳴いて

よくわからないけど

この星に刻みたかったな

生きた証ってやつを

しかしどうやらそれは失敗に終わった

………

最後に一つだけ質問がある

「おれって一体、何をやらかしたんだい?」

「さあ」

そいつは言った

「自分バイトなもんで」

おれはこの世界の不条理によって殺される


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