アリクイの憂鬱


………アリが不味い

アリクイはそう思った

アリが不味いのだ

だが他に食べるものが無かった

だから仕方なくアリを食べることにした

どこかに甘栗でも落ちてないだろうか?

無かった

我慢して無理やり自分を洗脳するような形でアリを食べた

人間がいてこっちを観察していた

きみたちはアリが大好物なのだねえと勘違いしていた

何しろおれたちにアリクイなどという名前を付けたことからもわかる

あのなあ

おれだってなあ

本当はな

一度でいいからクリームがたっぷり乗っかったスイーツとかを食べてみたいんだ

だが視界にはアリしかいなかった


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