ニュージャージーの悲劇
女が泣いた
それは犬の涎と見分けがつかなかった
という内容の詩を書いた
さっきの話しだ
だから出来たてほやほやだとも言える
おれは行きつけのバーで飲みながら友人のマイクにその詩を読み聞かせてやった
マイクは言った
「この詩には、良い部分と悪い部分がある」
おれはテネシーウィスキーをぐっと飲み干すとその批評に耳を傾けることにした
「まず短くて、おれのようなじゃが芋に手足がくっ付いたような人間にもわかりやすいというのが良い部分だ」
「じゃあ悪い部分は?」
おれは尋ねた
マイクはいたずら好きの子供のような笑みを見せて言った
「もちろん犬の涎は女の涙なんかよりもずっと高尚だってことさ」
おーいええっ
おれたちはハイタッチした
「そのジョークは最高だなあ!」
おれは目の前の友人のユーモアセンスを絶賛した
それに調子づいたのかその晩、マイクはテキーラを立て続けに三杯、飲み干し店内でフルチンになり警察官に射殺された
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