終わらない夢の名前は現実


サーモンピンクの老婆に追いかけられた

そういう状況から物事は始まっていた

(これは夢だ………)

おれはすぐにそう思った

さすがはおれだ

だが問題もいくつかある

それがいつ覚めるのかわからないのだ

乳房を揺らした裸の老婆に捕まった

意味の分からぬ罵倒を受けた

その口調からは強い憤りを感じた

おれは謝った

何故か金も徴収された

サーモンピンクの老婆から解放され夢の中の公園をぶらつくことにした

空からホットドッグが降って来た

焼けた犬だ

焼死し舌をだらんと垂らしている

そいつを頬張ってみた

固かった

咀嚼したが無理だった

サーモンピンクの老婆が電柱の陰に隠れているのを発見した

まだこちらには気付いていないようだった

おれは急いで背を向け反対方向へと歩き始めた

「おかわりですか?」

アイスクリーム屋さんが嬉しそうにおれに話しかけてきた

きっとおれはこの店でアイスクリームを購入したのだろう

「いえ、違います」

店員は露骨に嫌そうな顔で「ちっ」と舌打ちした

このような者はたとえ夢の中であるとはいえ存在するべきではない

そのような主張をして首を絞め殺害した

まだ夢から覚めない


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