スイカ割り
「スイカを人間の頭部に見立てて割る遊びなんだよ、あれは」
叔父さんはある夏の暑い日
遠い目をしながらわたしに教えてくれた
「ざんこくなんだね」
わたしはまだ小学生で
覚えたての言葉を使ってみたかった
目の前では乳首を丸出しにしたお兄さんたちが笑顔でスイカを粉砕しようとしていた
棒がスイカに命中し鈍い音が鳴り響いた
スイカは何も悪いことなんてしてないのに
(スイカを殺さないでね)
わたしは祈った
でもそれは通じなくってスイカは粉砕された
この世界に絶望した瞬間だった
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