向日葵


向日葵が

この世界に溢れていた

だからもはや

それは雑草に分類されるようになった

そうしてわたしたちは

ようやく遠慮無くそれを摘み取ることが可能になるのだった

向日葵をへし折る時の

わたしたちの表情はただ顔面がそこに貼り付けられているだけ

議論は別のところで行われ

もう誰も向日葵の生死には興味が無かった

向日葵を刈り取るわたしたちの手首の動きは滑らか

真夏

刈っても刈ってもまだ足りなかった

無数の太陽に似た花

わたしは太陽のそっくりさんですと自己主張している花

辺りはそれで埋め尽くされ

地平線までその光景が続いていた

「うんざりだ」

断首するように切り落とした

能天気に咲く繊細さの欠片も感じさせない存在

見れば見るほどにただでかくて邪魔なだけの不必要な存在


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