ラッコ


屋上から

ラッコをばら撒くことに決めた

深い意味は無い

おれたちが生きていることと一緒だ

ラッコは最後まで無抵抗だった

(これから何か楽しい催しでも始まるの?)

そのようなことを言いたげだった

ラッコは貝を割る動作をし始めた

だがそこに貝は無かった

すかんすかんっ

永遠に空振り

そしてラッコがばら撒かれた

もちろんラッコは重力に逆らえずにビルの屋上から急降下した

初体験

それはほんの少しのドキドキが付きまとう

ラッコがアスファルトに頭突きをかました


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