革命


おれは戦っていた

「何戦争なんだ?」

よくわからなかった

とにかく人を殺せと上官らしき者に命令された

断ったら多分、殺されるんだろうな

戦火を駆け抜けた

その最中だって頭の中は疑問符でいっぱい

自家製らしきみすぼらしい外観の爆弾を手渡された

導火線に火を点けるふりして隠してあったケーキをむしゃむしゃと瓦礫の陰で貪り食った

「うめえや」

革命軍を敗北へと導いた戦犯として吊るし上げられた

たった一人のおれのために全てが水泡にKISS

仲間は皆殺しにされたらしい

えへへ

舌を出して笑う戦友の死体の上

「きみたちのことは永遠に忘れない」

とりあえずそう呟いてみた

見たこともない我が軍の旗を風が揺らしている


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る