通行止め


お猿さんがいた

猿ではない

そこだけは強調しておく

お猿さんだ

そしてそのお猿さんは制服を着ていた

普通は全裸だ

だがさすがはお猿さんといったところか

ぱりっとした制服を着用していた

そのお猿さんに通せんぼされた

「通して」

わたしは言った

だがこのお猿さんはアルバイトだった

喋った

「自分、よくわかんないっすけど、ここを通すなって言われてるんですよ」

全くお話しにならない

「じゃあそう命令した上司を連れて来て」

なんだこいつ? という目で見られた

しばらく待たされた

やがてお猿さんの上司がやって来た

そいつもお猿さんだった

わたしはろくに説明も聞かず最新式のレーザーブレードでそいつの身体を切り刻んだ

まるで朗読をするように


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