こんな世界があるならば
クレパト線
第1話 お掃除妖精ブラウニー
もし、家にお掃除妖精ブラウニーが居るとするとどうなるだろうか。
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社会人になって一人暮らしをすることになった。
家はアパートの一階・角部屋。
格安で、風呂場とトイレが分かれていたから即借りることになった。
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ある日の朝。
昨夜は酔っ払って帰って来た為、靴を出しっぱなしにしていたはずなのに。
玄関には、靴が出ていなかった。
靴箱を開けると、靴がしまってある。
なんだ、記憶にないけど、自分でしまってたのか。
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あくる日。
缶ビールを飲みながら、テレビを観ていた俺は疲れてそのまま寝てしまった。
起きたのは次の日の朝。
テレビも部屋の照明も消えていたが、
俺はその事に気付かなかった。
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ある日の帰り。
そういえば、もうビールのストック無かったな。
家に帰る前にふと、思い出したのでコンビニに寄ってビールを買って帰ってきた。
冷蔵庫を開けてみると、缶ビールが入っていた。
あれ?まだあったのか。
なんか最近、物忘れ多いのかもな。
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あくる日には、リモコンを失くして
不貞寝していたのにテーブルの上に置いてあった事があった。
目が悪くなったのか、と思った。
あくる日には、部屋の窓を閉め忘れた事に気付いて焦って帰ってきたのにしっかり戸締りしていた事があった。
記憶違いだったのか、と思った。
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ある日の夜。
実家の母から電話があった。
ちゃんと一人暮らし出来てるかの確認の電話だ。
ご飯は?洗濯は?掃除は?と質問責めだ。
外食やらコンビニやらが多いが、ちゃんと食ってるよ、
近くにコインランドリーがあるから
持って行ってる、
部屋は綺麗にしてるよ、と返した。
そう、なら良いんだけどねぇ。
あんた、家で掃除なんてした事無かったじゃないの、だから心配だったの。
大丈夫だよ、ちゃんとしてるから。
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部屋に埃は溜まっていなかった。
トイレットペーパーはいつでも補充されていた。
風呂場にはカビ1つなかった。
ゴミ箱も溜まることはなかった。
玄関の鍵はいつも締まっていた。
男はそれが当たり前だと、思っていた。
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ある日。
会社の同期飲みで一人暮らしについて
語り合った。
男の一人暮らしって、親居ないから楽だけどさ、めんどくさいよなぁ。
そうだよな。俺、大学は県外だったから一人暮らしだったんだけどさ。
戻って来るときの部屋の掃除やばかったわ、俺こんな部屋で暮らしてたのかよってな。実家楽だわ。
男は黙ってそれを聞いていた。
二次会まで参加して、男は家に帰ってきた。酒はそんなに飲んでいないが鍵は締めず、靴は出しっぱなしにしておいた。
テレビを付けて、缶ビールを開けた。
冷蔵庫の中のビールはもう無い。
部屋中の窓を開けて、トイレや玄関、リビングの灯りも消さずに寝た。
次の日。
部屋の灯りは消えていた。
窓もしっかりと施錠され、
テレビも消えていた。
冷蔵庫のビールは冷えており、
玄関の靴は靴箱にしまってあった。
玄関の鍵は締まっていた。
この部屋に誰かいる。
そう、気付いた。
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毎日、毎日。
どんなに部屋を汚しても、帰って来た時には元通りになっていた。
鍵を交換しても変化はなかった。
男は怖くなった。
いや、ずっと前から恐怖でいっぱいだった。
この部屋に誰か居る。
いくら他の人に伝えても取り合ってくれなかった。
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その日。
男は部屋の真ん中で自殺した。
刃物で刺して、血が止めどなく流れ出た。
そうして、誰かが気付いてくれる事を信じて死んだ。
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あくる月末。
大家はアパートの一階・角部屋の男が家賃を払っていなかった為、催促をしに部屋へ訪れた。
チャイムを鳴らしても、返答がないのでスペアキーで中に入った。
部屋中探しても、そこには誰も居なかった。
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お掃除妖精ブラウニーなんて目に見えない子が居たら、正直言って怖いんじゃないかと思いました。
文章下手なので、誰か上手に理屈付けて書いてほしい。他力本願。
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