一方その後
アレン達が居なくなった森にまだ1人の子供が残っていた。アレン達に助けてもらった。子供だ。
「どうしよう。私あの子に酷いことしちゃった。」
こんな森にいるはずがないオーガに襲われ殺されると思っていたところを助けてもらった。それなのに
「ありがとうの一言も言ってない。」
でも、素顔を見せるわけにはいかなかったわけだし。
「姫様!!」
すると子供の方に駆け寄ってくる、ローブを着てフードを深くまで被った、似たような格好の大人が現れた。
「よかった!姫様ご無事でなによりです。」
ローブを着だ大人が現れると子供は大人に抱き着き泣き出した。
「ひっぐ………ぐすん……怖かったよぉぉ。」
大人は子供の頭を優しく撫でながら
「すみません。私が1体取り逃がしたばかりに。」
実はオーガは3体いたのだ。大人が相手をしていたのだが、オーガ1体が子供に襲いかかった。辛うじてこの子供が逃げたところにアレン達に出くわした。
「それにしても姫様。あのオーガからよく逃げられましたね。」
子供の足でオーガから逃げるなど普通はあり得ないことだ。
「ぐすん……じ、実はね。」
そして姫様と呼ばれる子供は説明した。
「な!?子供がオーガを倒すなんてありえません!それに魔法を使うスライムなんて聞いたことがないです。」
子供がオーガを倒すことは有り得ないことで、大人でもオーガを倒すにはそれ相応の実力が必要だった。
「う……嘘じゃないもん」
「いえ、姫様を疑っているわけじゃないんですが、その……信じられなくて。」
ですが、姫様が嘘をつくとは思えません。本当に子供が?
「リフェール。私その子に酷いことしちゃった。」
リフェールと呼ばれた大人は子供の頭に手を乗せて
「仕方ありません。その子供がどこと繋がっているかはわかりませんし。」
もし悪い人と繋がっていれば奴隷にされる危険がある。特にエルフは容姿端麗なので狙われやすい。
「でも、助けてもらったのにお礼も言ってない。」
「それじゃあ、姫様が大きくなり強くなったら一緒にその子供を探しましょう。」
「ありがとう。リフェール!」
「さぁ。もうそろそろ帰らないとお忍びで来ていることがバレてしまいますよ。」
「っ!?お父様に怒られちゃう!リフェール行こ!」
いつか会えたらその時はちゃんとお礼を言います。
そうして、この2人のエルフは帰っていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます