テープ

 さて、番外編として、『テープ類』を紹介して、この章を終わりにする。(これは『熟成ゾンビ』限定の対処法であるので、お間違いなきよう注意されたし)


『熟成ゾンビ』には腕力が無い。物も掴めない。

 だから、ゾンビの頭を、口の部分を覆うようにテープでぐるぐる巻きにしてしまうのだ。

 これは、前述の警官達が行っていた処理であり、発案者は、作者の地域の場合は『六歳の男の子』であった。

 使用するテープは、粘着力が強く、貼ってから裂けにくい布テープ等がお薦めである。

 方法としては、映像に精しいが、要するに――(以下、地元警察簡易マニュアルより抜粋)



『二人がかりで、伸ばしたテープの両端を持って対象に接近。対象の頭がテープ中央になるように位置調整し、標的である口付近に巻きつけながら、二人で位置を入れ替えながら近づいていく。これを繰り返して、対象の頭部を封印、拘束する』



 ――というものである

 文章で書くと、中々いかめしい感じなのだが、警官二人が長い布テープの両端を持って、ゾンビに駆け寄って、ぐるぐる回る様は、ちょっと間抜けではあった。


 だが、実に効果的でもあった。やりようによっては、集団に対しても有効である。


 勿論、下手をうてば噛まれてしまうリスクが存在するので、お薦めはしない。万が一、実行を考える状況に陥った読者諸君は、できるだけ多人数(最低でも、実行者二人と見張りに一人の計三人)で行う事を推奨する。


 動き回るダンボールの一部分をぐるぐる巻きにする、と表現すれば、一人で行うのがいかに難しいかは判っていただけるのではないかと考える。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る