第6話 フォールアウト 落ちていく二人

本日は、晴天なり。

しかし、幼なじみの三人には、亀裂が生じそうな気配が、暗雲となりそうだった。


なぜなら、あの日あの時あの場所で、はるかが大輝のホッペにキスしたことは、学校中のうわさに、なっていた。


「あんた、チョット来なさいよ!」大輝は、あすかから、ガンつけを食らっていた。まるで、獲物を狩る虎。


「何もしてないぜ。何怒ってんだ。」証拠がないことを理由に、とぼける大輝。でも、今回は、証人がいた。明子先生だった。


偶然にも、あのシーンに、いあわせていたのだ。


「とぼけたって無駄よ!天誅」と言っ右手を大輝の左頬に打ちつけた。天誅という言葉を使うあたり、古くさい女、あすか。


「あれは、事故だよねー」というしのぶだが、目が座っている。

大輝から見れば、あれは、されたのであって、したのでは、ない。それなのに、この二人は、理不尽なことを言う。


かと言って、理不尽だろうが、貴婦人だろうが、

二人にとってみれば、大輝に隙があるからだになる。この辺が、幼なじみなのに、わからないから、未熟なのだ。


そこへ、当事者のはるかが、教室へ入ってきた。大輝「ヤバイ、はるかを守らなければ」いや、あんた、この二人に、かなわないでしょ。女には暴力を振るったことないのに。


藪から棒に、はるかは大輝に、話しかけた。

「大輝君、遠足のお菓子を、買いたいんだけど、一緒に行ってくれる?」

このことを、俗に言う「火にあぶら」はるかも天然である。


座っていた机に向かって、手をバーンと打って、立ち上がるあすか。そして、しのぶに向かって

言った「行こ、しのぶ。もう、こいつとは、永遠に絶交だ。」しのぶ、楽しそうに「そうね、こんなやつ、知らない。」二人は、出て行った。


大輝の頭には、天誅という言葉が、グルグルと、踊っていた。やはり、友だちは、大事である。

失って、初めてわかる、二人の価値。


フォールアウト。地べたから、這い上がれ、大輝。いつのまにか、はるかも消えていた。


全てを失いかけている、大輝。こんな時に、何だが、君に幸あれ。


次回予告 トライアングル ラブ 三人の恋の行方は。遠足の話なのに、妙に前置きが長い。

教えて answer 皆が幸せで、ありますように。

Touch your hearty motion

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