第46話 異変
ーロミーが出発して5日目。上城サイドー
俺は鉱山に修行に来ていた。
少し違うのは、俺はカッパーからシルバーにランクが上がった事。
鍛冶屋に作ってもらった新しい武器、今までは一つしか装備していなかったが、白い2つの拳銃を装備した俺はたった1日で信じられないほど成長をした。
1人5層へ潜っている。もちろん無理をしてはいけないと、居住区付近でなるべく、一体ずつのモンスターしか相手にしない。
数が多ければ不利になるからだ。
アレからシルバーズさんの部下達が居住区画の整備をしてくれて、埃っぽさも無くなり、今は居住区の小屋を一つ使わせてもらっている。
ピロン♪
『おっはよーございまーす♪(天の声)昨日の夕方からやーーーーーっと、馬車が動きましたよーーーー。ずっと雨が振り続けて本当に退屈すぎて死ぬかと思いました。外に出てその辺の石ころを投げて遊ぶくらいしか周りに何もないくらいだったんで、本当に死ぬかと思いまし(本当の事なので二度言いました)』
くすくす、ロミーさんも元気で何よりだなぁ
無事にキャタルスシティに着くといいな
『おはようございます。良かったね!明日が、神殿のお祭り?なんだよね???間に合うといいね!僕は例のクリスタルで作ってもらった2丁拳銃が調子良くて、レベルもかなり上がったよ!会えるのが楽しみだよ』
送信。
スマフォをしまい、武器を持ち、小屋を出ると三日月が居た。
桜子「ちょっと、上城君!いくらレベルが上がったからって、屋敷に帰りもしないで、しかも5層に入るなんて、何考えてるの!?」
はぁ、またその話か。
上城「昨日、ケンタウロスに出くわしたよ、一発撃ち込んでやったけど、仲間を呼ばれてね、退散したよ」
桜子「ちょ、何言ってるの!?ってか、顔色どんどん悪くなってない?ちゃんと寝たの?」
上城「はぁぁ、またその話か」
桜子「あなたの事を心配してるから言ってるのよ!?上城君らしくないわ!」
上城「俺の事は放っておいてくれないか」
桜子「ばか!そんなんじゃ死ぬわよ!ロミちゃんがこんなの知ったら何て言うか!!!」
上城「今ロミーさんの話を持ち出すのはずるいだろ。俺が好きでやっている事なんだ、三日月には関係ないだろ」
桜子「、、、そうね、はぁ、言っても無駄みたいね。私からの餞別よ。"Gentle breeze heal"〈癒しの風〉」
優しい風が俺の疲れた体を癒した。
桜子「私は帰るわ。でも、絶対無理しないでよ。」
上城「あぁ、わかってる、回復魔法、、、ありがとう」
俺は三日月とわかれ、第5層に入っていった。
居住区周辺は第1層にも多くいるゴブリンやスライムもいる。
ただレベルは5層の方がかなり高い。
このまま数をこなせば、きっと俺も強くなれる!
また何か覚えたようだな
"heal shot"〈回復弾〉
回復もできるのか!なんて便利な、これで少しはロミーさんの役に立てそうだな。
回復弾よりも、攻撃重視で、スキル選んで解放してたから、今更感もあるけど。
ダン!ダン!ダン!ドドドド!
岩の塊みたいなモンスターやゾンビみたいなのとかもたまに出くわすけど、楽に倒せてるし、全然問題ない。
俺はたくさんのモンスターを倒しながら奥へと進んだ。
危険なエリアへ足を踏み入れているとは知らずに。
ーキャタルスへ向かう馬車。ロミーサイドー
小窓に顎を乗せこの暇すぎる時間をダラダラと過ごしていた。
馬車は昨日の夕方からようやく動き出して、今は遅れを取り戻すためにノンストップで馬を走らせている。
バニラ「死んだ魚の目してるぞ、おい」
ロミ「っるせぇー!暇なんじゃーーー」
ジャック「流石に、私も退屈だよ。本も飽きたしね」
ロミ、ジャック「はぁぁぁ」
ここ二日間、少し進んでは止まって、また少し進んでは止まっての繰り返しだった。
本当に溜息ばかりついている
魔法の勉強もしてたんだよ?
でもね、この狭い車内じゃね、息がつまるの。
だから、馬車の外に椅子を出したりして、気分転換してたんだよ?
ふぅ、窓の外の風景もずーーーーっと一緒だし、眠い。。。
寝るしかない。。。
流石のフィオナも部屋にこもってるし。。。
コンコン、
フィン「失礼します。お飲み物はいかがです?」
ロミ「炭酸ないかな!?」
フィン「オレンジソーダで宜しいですか?」
ロミ「それなっ!!!」
ジャック「じゃー、私も同じものを頼むよ」
フィン「かしこまりました」
ロミ「キャタルスシティ着いたら、まず月の神殿でしょ?それからハンター協会でしょ?それから国王との謁見でしょ、散歩は?いつベッドにダイブすればいいの?」
ジャック「全部終ってからだろうねぇ」
ロミ「うわぁぁぁん!いやだーーー!!」
バニラ「心の声が全部漏れてんだよ!!!ボケっ」
バニラに飛び蹴りされたけど、肉球だから全然痛くない。
バニラを捕まえてぎゅーーーーっと抱きしめ顔をスリスリしてやるーーーー!!!!
バニラに逃げられた私は天窓を開け顔を出して風を浴びながら大きな声で叫んだ
ロミ「◎△$♪×¥●&%#◎△$♪×¥●&%#!!!!!!」
天窓をしめ、ふぅーと呼吸を整え、
ロミ「はぁ♡スッキリしたぁ」
(o´罒`o)♡
ジャック「ふふふ、」
バニラ「忙しいやつだな」
叫ぶってストレス発散にいいよ。
ジェットコースターとか乗りたいな。
今度、フライの魔法で飛び降りて遊んでみようかな???笑
ピロン♪
桜子さんからだーみんな元気かなー
『ロミーちゃん、上城くんが、昨日から一人で鉱山の第5層に潜って居住区でキャンプしてて屋敷にも帰らずにずっと狩りを続けてるの。朝様子を見に行ったけど、何を言っても聞かなくて、私にできるのは回復魔法を使ってあげたくらいで。。。ロミちゃん達が出発した辺りからずっと顔色も悪くて、のめり込むようにモンスターを狩り続けてるの。このままじゃ本当に命を落としかねないんだけど、どうする事もできなくて。。。無理なのはわかってるけど、一度帰ってこれないよね???』
何???
ジャック「どうしたの?」
ロミ「これ、桜子さんからのメッセなんですけど、」
私はスマフォをジャックに見せた。
ジャック「、、、あのバカ!」
上城さんのステータスを確認すると、最後に確認した時より100以上レベルが上がっていた。
ロミ「え?上城さんだけ、ずば抜けてレベル上がってる!?桜子さんをのレベル追い抜かしてるじゃん!!」
ジャック「初心者が陥りやすい症状っぽいな。"早く強くなりたい"その想いが強すぎで、体が悲鳴を上げていても、進み続けてしまう、アレ。」
なんで!?
ジャック「精神が不安定過ぎるんだ」
でもどうしよう!!!
一人で第5層とか何やってですか!上城さん!!!
そわそわ、そわそわ、
お、落ち着かない。
鉱山に行くのは簡単なんだけど、こっちに帰ってこれなくなるし。。。
バニラ「俺が、おっさんと行くからお前、輝トコ、行けよ」
ロミ、ジャック「は?」
バニラ「こっちに戻ってくる方法なら考えとくから、急げ」
ロミ「、、、」
ジャック「何も考えなくていいよ!とにかく、輝を止めてくるんだ!ロミーさんの話なら聞くはずだよ!」
ロミ「え?私の話なんか聞いてくれますかね???」
ジャック「うん、大丈夫!早く行ってあげな!こっちは私とバニラに任せたまえ!」
ロミ「は、はい!いっ行ってきます!!!」
私はとっさにGATEを鉱山第5層の居住区に繋げて潜った!
GATEをくぐる瞬間目を閉じてしまったけど、恐る恐る目を開け体がちゃんとあるか確認した。
よし。大丈夫そう!
ジャック「本当に帰ってこれるのかい?」
バニラ「、、、」
ジャック「、、、えぇ!?」
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