第32話 シルバーズ伯爵はただのチャラ男です



キース夫妻とナターシャが一つづつテーブルを回って丁寧に挨拶をしている。


桜子「ねぇねぇロミちゃんが外したこと伏せられたわね」

上城「パニックを防ぐためかな?」

ジャック「たしかに、それはありそうだね」


キース夫妻との挨拶を終えたエミリオン・シルバーズと司祭様が私達のとこにやってきた


ロミ「あ、し、司祭、と、エミリオン・シルバーズ様どうも。。。昼間、行けなくてすみませんでした。」

司祭「。。。いえ、私も別の方とお会いしていて失礼いたしました。。。」


ん?なんで謝るんだろう。。。


リオン「ロミー、神殿に来ていたのだろう?(ニコニコ)」

ロミ「あ、いえ、えぇーーっと、広すぎて迷子になっちゃってぇぇぇ、、そ、それで疲れちゃってぇ、帰りました」


リオン「そうか、君とは一度ゆっくり話がしたい(ニコニコ)」


なになになになに!?エミリオン・シルバーズ、こ、こぇぇええ

笑ってるけど、釘指す感じ!?

威圧感半端なーーい!!!

二人がいるところを見ちゃったのバレてる!?


司祭「ロミー様、ジャック様、輝様、桜子様、今少しお時間いただけないでしょうか」


リオン「昼間、ロミーとは話せなかったからね、その話もしておきたいんだ」


マルス「離れの鍵をお持ちしたっす。ご案内するっす」




マルスにとりあえずついていった。

道中、司祭様とエミリオン・シルバーズのお付きの者達が人払いをしてくれている。

前もって部屋を用意するように言われてたみたいでマルスに宿屋の離れのコテージに案内してもらった。

木の温もりを感じられる作りだ。


コテージ入ると直ぐにエミリオン・シルバーズが声を出した


リオン「わざわざすまない。君達は特別な存在だ。落ち着いた場所で話をしたくてね。本当は昼間にロミー、君と話がしたかったんだが、ちょっと手違いがあってね、(ニコニコ)」


完全に私を見る顔が怒っているようななんなのかよく分からないけど。。。


司祭「先ほどのナターシャの足枷についてです。ロミー様が外された事は知っております。ですが、この世界で、奴隷の足枷を外す方法は、枷のついた部位を切断するしか方法は無いと考えられております。今回のようにキズ一つなく足枷を外す方法は無いと思われているので、、、」


リオン「それで、今朝キース夫妻とナターシャと話し合いの結果事実を伏せることにしたのだよ。知っている者は少なくてよい。」


やっぱりそんな感じだったんだね。

その方が私としても助かる。

私が外した事がわかれば、きっとみんな黙っていない。

とくに利用したくてたまらない連中が。


リオン「それと、今回無事に帰還できた礼として、報酬は昨日受け取っていると思うが、それとは別にロミー、君に受け取ってもらいたい物があるんだ。」


ロミ「わ、私にですか?」


司祭「はい。ロミー様」


ロミ「な、なんでしょうか」


リオン「これだ」


手渡されたのは豪華な装飾が施された何かの鍵だった。


ロミ「こ、これはなんの鍵でしょうか???」


リオン「私の別邸の鍵だ」


一同「、、、っ!!?」


ロミ「エミリオン・シルバーズ様の別邸の鍵ですか???」


リオン「時々私も遊びに行かせてもらうよ。好きに使うといい」


一同「!?」


上城「ど、どういう事でしょうか?ロミーさんに鍵を渡すというのは、ロミーさんにあ、愛人になれという事でしょうか??」


!?

上城さん!何言ってるんですかぁぁぁあ!!

私は動揺して、何を言ったらいいのかわからない!


ジャック「シルバーズさん、すみませんが、お断りさせていただきます」

桜子「そうよ!この世界では、貴族の愛人になる事が凄いことかもしれないけど、絶対ダメ!」


リオン「、、、はは、あははは。すまない、確かにそう取られても仕方ない。よくある話だが、、、、」


よくある話なの!?


司祭「その鍵は少し前までわたくしが、使わせていただいておりました、エミリオン様の別邸です。今は神殿におりますので、使われていないのです」


リオン「だから、命の恩人である君にこの鍵を受け取ってもらいたいのだ。皆とここを使うといい」


桜子「愛人にならなくていいのね?」


リオン「うーん、ロミー、君さえよければいつでも私の元へ来るといい。私は君をもっと知りたい」


ロミ「な!」


上城さんが私の前に立ち塞がり、ジャックさんが私肩をぐいっと引き寄せ守ってくれた。


リオン「ふふふ、別邸の場所は後で私の部下に案内させる、あと使用人は何人欲しい?手配させよう」


ロミ「使用人ですか、、、憧れるけど、どうしよう」

桜子「使用人がいるってことは、相当大きな家って事ですか??」


リオン「そうだねぇ20部屋くらいはあったろうか。。。各部屋にシャワールームもあるが、共同の内風呂と外風呂と広い庭と、」


上城「20?え!?」


桜子「ご、豪邸レベル!?」

ジャック「そ、そこにロミーが!?」


リオン「君達もそこに住むんだよ。代表はロミーだが、君達もちゃんと住めるように部屋はある」


一同「えぇぇぇぇええええ!?」


リオン「フィオナからも聞いているから、ロミーには特別広い月光浴ができるテラスのあるとても素敵な部屋を用意した。時々、フィオナも遊びに行くからよろしく頼むよ」


本当にそんな豪邸に住まわせてもらっていいのだろうか!?


司祭「そろそろ、戻りましょう」


私達は外にでた。

レディーファーストで司祭様から外に出て付き人が司祭とパーティー会場に戻っていった。

私と桜子さんが出た後にジャックと上城さんがでてきた。


リオン「そうだ、ロミー、もう一つ渡したい物があった、いいなか?」


そういわれ私はコテージの中に戻ると、エミリオン・シルバーズが、バタン!とドアをしめ、腕を掴まれ壁に押し付けられた。


ドンッ

!?壁ドン!これはまさしく壁ドン!私の顔のすぐ横にエミリオン・シルバーズの腕!!顔も近ーい!

左肘を壁につき、頭をなでられた。


ロミ「ちょ、エミリオン・シルバーズ!!やめてください!」


リオン「私を呼び捨てにするのは君が初めてだよ」

ロミ「近いです!近いです!」

リオン「あの時、見ていたのだろう?」

ロミ「!?(//´ _`//)」


私はまた思い出して赤面した

さらに顎くいされる!


ロミ「ん!は、離してください!」

リオン「私が近づいて嫌がる女性はフィオナと君くらいだよ」

ロミ「司祭様がいるのに他の女に手を出していいんですか!!」

リオン「ふふふ、貴族の嗜みだよ」


女遊びが貴族の嗜みなのか!!!

くそ!自分のこと絶対、"美しい"とか思ってるんだよ!こいつ!!!


リオン「私とフィオナがしていた事を見たか???」

ロミ「。。。」


リオン「そうだ、ロミー、私のことは、親しみをこめて"リオン"と呼びなさい」

ロミ「いえ、エミリオン・シルバーズでいいです」

リオン「呼ばないと帰さないよ。」

ロミ「。。。」

リオン「ふふ、気の強い女性も嫌いじゃない。このまま唇を奪うのも悪くないのだが。。。」

ロミ「リオン!リオン!リオーン!!」

リオン「いい子だ♪」


顎くいされたまま、私の唇はエミリオン・シルバーズに奪われた


ロミ「!?ばっ!なにすんだ!このクソ野郎!!!」


リオンは驚いている。


リオン「口付けをして、そんな暴言を吐く女性は初めてだよ。ますます君が気に入ったよ。ふふふ」



私はリオンを突き飛ばしコテージをでた。


ムカつくムカつく!ムカつくムカつく!


ロミ「むきぃぃぃぃぃいいいいい(`皿´)怒!!!」


顔を真っ赤にして怒り狂う私にみんなが驚いている


ムカつくムカつく!ムカつくムカつく!


桜子「だ、大丈夫??どうしたの???」


後から出てきた、リオンが微笑みながら、

リオン「ロミー、ご馳走さま♪」


ロミ「ムググググ(`皿´)怒」

余計にムカつく!



上城「ご、ごちそうさま!?」


リオン「また続きをしよう。ロミー」


ロミ「クソ断るっ!!(`皿´)怒」


ジャックが私の肩を抱き寄せ、リオンを目で牽制した。


リオン「おやおや、ロミーには立派なナイトがいるようだね、悪ふざけが過ぎたようだ。私もパーティーにもどるとしよう、それじゃ♪」


リオンが立ち去った後、私は、何故だか涙が溢れてきてしまった。

顔を伏せていると、ジャックさんが気づいて私のアイマスクを外し抱きしめてくれた。


ジャック「もう大丈夫だよ。彼はいったよ」


震える私を優しく頭をなでて慰めてくれる

ジャックさんの手は落ち着く。


上城「な、中で何があったの?」

桜子「上城くん、そーゆー質問は野暮よ」

ジャック「野暮だね」

上城「え、あ、ごめん。。。」


ジャック「少し、ロミーと休憩してから戻るよ、二人は先に戻ってて」


桜子「ジャックに任せておけば安心ね、よろしく上城君、戻るわよ」

上城「え、あ、うん、じゃ、先にもどるね」


ジャック「少し座ろうか」


抱きしめられたままコテージの前の階段に二人で座った


ロミ「す、すみません、もう大丈夫です」


離れようとした瞬間私を抱きしめるジャックの手に力が入り、離して貰えず、私は顔を上げジャック見ると表情が見えないように遠くを見ている。耳が赤い???


少しだけ、私もそれに身を委ねた。。。




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