第30話 頼れるのは
一人で神殿に来るのは初めてだぁ
昨日の授与式とかも私参加してないし。
神殿の長い通路を進む。
コツ、コツ、っと足音が静かな神殿の廊下に響き渡る。
神官達がいない???
なんか静かすぎて、怖いんだけど。。。
普通誰か入り口に立ってるもんじゃないのかな???
司祭様どこにいるんだろー?
ガチャ、
奥の方で扉が開く音がしたて、中から神官が二人でてきて、別の部屋に入って行った。
とりあえず進むしかないよねー、声掛けそびれた。。。
この神殿広すぎだよ
司祭様どこにいるんだろ???
さっき神官達が出てきた部屋の扉が少しだけ空いていて、中のから誰かの喋り声がきこえる???
「お断りしたはずです、、、お引き取りください」
「フィオナ、私は諦めないよ」
司祭様と男の声
「いけません、私は神にこの身を捧げたのです。この様な関係は不適切ですわ」
「フィオナ、美しい顔をもっと見せておくれ。。。」
、、、逢い引きか????
何という、タイミングの悪さ!!!
でもちょっとドキドキしちゃう!!!
聞き耳立てるなんて、失礼だけど、メッチャ気になるぅぅううう!!!
「フィオナ、君を愛しているのだ、私の愛を受け入れておくれ」
ガタン!
と何かが倒れる音がして、つい、私は部屋の中を覗き込んでしまった。
「ぷはっ、い、いけません、エミリオン様!うぅん!」
!!!!!!?????
やばい!メッチャ抱き合ってキスしてるよぉぉおお!!!
わー!きゃー!わー!きゃー!!!
どーしよぉぉぉお!!!
Σ(・□・;)
と、とりあえず、出直そう!そうしよう!!!!!
私はその場を立ち去り、祭壇のある大きな場所に出た
正面には立派な女神像にその後ろに大きくてとても綺麗なステンドグラスがある。
外からの光が入りステンドグラスが床に反射していて、とても綺麗だ。
私は写真を何枚か撮った。
並べられたベンチに座り、ステンドグラスを眺めてボーーっと待つことにした。
いやー、やばかったぁ
ってか、エミリオンって名前どっかで聞いたような気がする。。。
ピコン♪
桜子さんから返信メッセージが来た
『了解!買い物終わったけど、まだかかりそうなら、先に宿に帰って、プレゼントの洋服を仕立てるわ』
あー、どうしようかなぁ
ガチャ、
扉が開き振り返ると町の人達が何人か入ってきていた。
ここは、祈りを捧げる場のようで、皆んな、ベンチに座り女神像に向かい祈りを捧げている。
神官の姿が見えたので、私は、声をかけた。
ロミ「えーと、すみません、司祭様に呼ばれたロミーです。えっとちょっと急用ができたので、今日のところは帰ります。とお伝え願えますか」
神官「ロミー様、話は伺ってます。ただ今、シルバーズ様との謁見中のはずです、終わり次第お伝えいたします」
ロミ「す、すみません、よろしくお願いします!!!」
私はその場を急いで立ち去り、神殿の外に出て直ぐに桜子さんに連絡した。
『司祭様に会えなかったから、私も帰れます!今、神殿の前です』送信。。。。
ロミ「はぁぁぁぁぁぁあ」
ジャック「大きな、溜息!幸せ逃げちゃうよ」
ジャックさんが居た。片手には美味しそうな焼き菓子を持っている。
ロミ「あ、いえ、ちょっと、、、美味しそうですね?それは何ですか???」
ジャック「食べてみる?」
そういうと私の口の前に差し出された
ジャック「あーん♪」
!?(//∇//)
ロミ「はむっ。もぐもぐもぐ。。。んん!!おいひぃ!」
ジャック「でしょう?こないだ来た時に気になっててね、薄いパンケーキみたいな生地にハムとマヨネーズの様な物が挟んであるシンプルな焼き菓子なんだけど、すごく美味しいよね」
ロミ「これ、今日買った材料で作れそうです!クエスト中の休憩時とかにも簡単に食べれていいかもしれないです!」
ジャック「今度、作ってくれるかい??」
ロミ「はい!」
そういうと、ジャックは、私がかじった部分をパクリと食べた。
わー関節キッスー\(//∇//)\
そんな事、ジャックは気にしてないかー!
たっはー(o´罒`o)
数分後、桜子さんと合流して、皆んなで宿屋に戻った。
部屋に戻ると、桜子さんが早速、洋服を仕立て始めた
私はそれをニコニコしながら眺めた
桜子さんの服、ほんと、天使みたいで可愛いなぁ。
ニコニコ眺めていると、ナターシャが、ドアをノックのが聞こえた!!!
ナターシャ「皆さん帰ってますか?」
私たちはプレゼントを急いで片付けてドアを開けた
ロミ「ナターシャ!どうしたの?」
ナターシャ「今日は夕食は18時です!絶対、ぜーーったい、遅れないで来てくださいよ!!!」
ジャック「わかったよ、18時だね」
ナターシャ「絶対ですよ!」
バタバタと他の部屋のみんなにも伝えまた下に降りて行った。
ふぅ、またナターシャへのプレゼントの準備を続けた。
白バラさん達にも手伝ってもらおう!
と、作戦を伝えにくい!みんなで、ケーキを運ぶタイミングとプレゼントを出すタイミングを話し合った、みんな、桜子さんにメッセージを貰っていて、プレゼントは準備済みだと言う。流石桜子さん!
ピコン♪
誰かから、メッセージが来た。
上城さん?
『ちょっと、噴水広場まで、来れますか?』
なんだろう???
ジャック「桜、輝くんから連絡が来たよ。どうする?まだ時間かかるかな?」
桜子「うーん、ごめんなさい。もう少し頑張りたいから、ごめん、二人で行ってきてくれる?後でまた教えて」
???
ジャック「ロミーさん、行こうか」
ロミ「???え???あ、はい。いってきます」
桜子「いってらっしゃい」
階段を降り、宿を出たところで、バニラが立っていた。
ロミ「あ、人型」
バニラ「おう」
ジャック「じゃ、行こうか」
???
ロミ「な、なんか、あったんですか???なんか怖いんですけど。。。」
ジャック「うーん、そうだよね、えっと、本当は桜も一緒に来た方が良かったんだけど、忙しそうだったから、とりあえず、僕らだけで話をしよう。って事になってね」
ロミ「??なんの話ですか」
やだ、なに?本当に怖いんだけど
こーゆーの嫌い。
秘密にされたり誤魔化されるの本当に昔から嫌いなんだよね。
バニラ「落ち着けって、」
ロミ「やだ、無理」
ジャック「?」
バニラ「世話のかかるやつだな」
ロミ「だいたい、詳細教えてくれないのが悪い」
バニラ「黙ってついてくりゃいいんだよ」
ロミ「そーゆーのが嫌なの!!!なにも教えてくれないのが嫌いなの!!!」
ジャック「ご、ごめんね、輝くんが相談したい事があるんだって、これからの事を話し合いたいって。あの狭い部屋じゃ息が詰まっちゃうから、広い外で話そうって事になってね勝手に決めちゃってごめんね」
むむむ
私のいないところで話が進んでいたのか。。。
でもちょっと勝手に怒ってしまって、反省。。。
すー、はー、深呼吸をして、落ち着かせる。
するとジャックが、頭をぽんぽん、としてくれた
ジャック「自分の知らないところで話が進むのっていい気分じゃないよね、ごめんね。今後気をつけるよ。機嫌なおしてくれる???(なでなで)」
ロミ「あ、いや、私こそ勝手に怒っちゃってすみません、なんかイライラしちゃって大人気なかったです、すみません」
ニコニコしながらジャックさんが頭をなで続けてる。。。
なんだこの状況。私子供みたいだ。。。
恥ずかしい。。。
しかし、なんか今日はイライラしやすいような。。。
噴水広場に到着すると、上城さんが待っていた。
ジャック「お待たせ」
上城「すみません、および立てして、どうしても話がしたくて、三日月が居ないけど、仕方ないね。」
ジャック「座ろうか、、、」
噴水のとこに腰かけると、なんでか、ぴったり上城さんとジャックに挟まれる状態で、並んで座った。
バニラは私の目の前に、仁王立ち。
なんなんこれ、
両手にイケメン目の前にイケメン!
だめだ、耐えられない!なんか気持ち悪い!!!!!
私は立ち上がって、近くのベンチに腰かけた。
それでもバニラが隣に座った。
ロミ「ちょ、なんかよくわからないんですが、やめてください」
ジャック「ふふ、すまない。ちょっと意地悪したしまったよ」
上城「。。。」
バニラ「ぎゃははは」
ロミ「だめだ、なんなんですか!?気持ち悪いんで、本当にやめてください!なんか、帰りたい!」
私は落ち着かない。
笑わせようとしてくれても、全然笑えない。
気持ち悪い。頭がモヤモヤする!!!気持ち悪い!!!
バニラ「呪いのせいで、お前は情緒不安定になってるぞ」
ロミ「へ?」
ジャック「輝くんに相談を受けてね、それで、この場を儲けさせてもらったんだ」
上城「ちょ、ちょっとでもストレスを感じたら、言ってね、直ぐにやめるから!」
ロミ「???」
バニラ「お前が最近理由もなくイライラするのは、それが原因だ」
確かに言われてみれば。。。
で、なんで、こんなみんなで集まって話をするのかな?
今この状況がすごくストレスなんだけどなぁ
バニラ「今、すでに影響がでてるせいで、何を言ってもお前は、納得できなくて、とにかく、イライラしてんじゃないか?」
ジャック「だから、君の心を少しでも落ち着かせるためにさっきも、、、(なでなで)」
ロミ「わっ(//´罒`//)」
ジャック「こうやって、頭をなでたんだけど、心が少しは楽になった???」
ロミ「。。。たしかに、楽になったような。。(照れ)」
バニラ「お前、大人数相手だと、余計に気を張っちまうクセがあるから、ストレス発散の方法を常に見つけた方がいいんじゃないか」
ロミ「ストレス発散ねぇ」
上城「ロミーさんと話をしたくても、このままじゃ話もできなくなってしまうんじゃないかって、すごく、心配なんだよ」
上城さん、苦しそう?
バニラ「魔力をお前は無意識にとどめてるから、いつも、疲れやすくて、不安定になりやすいんだぜ」
たしかにそうかも
とどめるか。。。。
ジャック「せっかく司祭様にアミュレットを頂いたんだから、これをもっと活ようしていかないかい」
ロミ「アミュレット。。。無意識に留めている魔力。。。」
上城「そ、そだよ!もっと僕達を信じて、安心して身を任せて欲しいんだ!!!」
噴水の音が聞こえる。
水は流れる。
押し出されて流れていく
魔力もこの噴水のように押し出して、アミュレットに拡散させれば。。。
意識をアミュレットに集中した時、私の体から光が溢れ出した。
無意識に止めてしまっていた流れを解放した瞬間、みんなのアミュレットが輝きを増す。
アミュレットの宝石一つ一つが濁った魔力を浄化し、みんなの体に取り込まれて行く。
ジャック「すごい、暖かいね。」
上城「これがロミーさんの魔力の一部。。。」
バニラ「あぁこの濃厚かつ滑らかな味わ
い。最高だぜぇ」
ロミ「あ、なんか、頭のモヤモヤが晴れたような気がする」
ジャック「成功した?」
バニラ「あぁ、多分これで、しばらくは安心だな」
みんなの顔に笑顔が戻る。
上城さんをのぞいて。
バニラ「昨日のつづき、話してみろ輝」
昨日のつづき。。。そういえば、、、、
ロミ「あぁ!!!ヒステリックネチネチクソババアの話ですね」
上城「ヒステリック!?」
ジャック「ネチネチクソババア?」
バニラ「ぎゃは、ぎゃはははははは」
バニラがお腹を抱えて転げ笑っている
モヤモヤが一気に晴れスッキリしたので、つい本音がポロリと出てしまった
上城「そう、そのクソバ(咳払い)朽田係長からパワハラを受けていたのは事実なんだよね??、」
ロミ「、、、はい。それが原因で仕事を辞める寸前でしたから」
上城「本当に申し訳ないっ!!!!」
!!?
大きく頭を下げて上城さんが私に謝った
上城「助けたかったのに助けることができず、確信が中々持てなくて、苦しんでいたのに今更謝っても遅いけど、本当に申し訳ない!!上司である僕が君を守るべきだったんだ!!!」
ロミ「わ、頭あげてください!!!上城部長に対して助けて欲しい!って考えてもなかったんで、本当に責任感じなくて大丈夫ですから!!!ぶ、部長!頭あげてください」
バニラ「"ぶっちょー"ってなんだ?輝のあだ名か?」
バニラの発言に一瞬戸惑ったけど、みんなで、ぷぷっと笑い出す
ロミ「なっ、今、それ聞く!?あはは、あはは」
上城「ちょ、せっかく真剣だったのにぃ、あはははは」
ジャック「部長とは役職のことだよ。輝はとっても偉い立場の人だって事だよ」
バニラ「なんだ、つまんねぇの」
上城「つまらなくない!」
みんな私を心配してくれていた事がとても嬉しくて小っ恥ずかしい。
もっと仲間を信じて頼り頼られ。そうやって絆を深めて行くんだよね。
上城「。。僕のせいで君を情緒不安定にさせてしまってる事がすごく心苦しくてね、気を失っている君にバニラがあんなハレンチな事するし、気まずかったけど、話せてよかった。それと、守ってあげられなかった事本当に申し訳ない」
ん?。。。気を失っている私に"あんなハレンチな事"?
バニラ「あれは必要だっただろ。結果あの時はロミーは目覚めたろ」
上城「いや、絶対必要ないと思うんだけど」
バニラ「あーきーらー、本当は、お前がしたかったんじゃねぇのかぁ???」
上城「ちょ!何言ってんだよ!」
ロミ「その話詳しく聞かせてください」
ジャック「ロミさんロミさん、」
ジャックさんが耳元で教えてくれた
ジャック「気を失っている君の上にまたがって、人型にわざわざ変身して濃厚なキッスを"必要以上"に何度も何度も繰り返したんだって。だから上城くん、朝から君を見るたびにそれを思い出して恥ずかしかったみたいだよ(ニコッ)」
!?
(//´ཀ`//)赤面
ロミ「バーニーラァァァァァァァァァァぁぁぁぁぁあ、何がおあずけだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!逃げんなぁ!!!」
でも、みんなが、いるからこれからも頑張れる。
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