第28話(テラフォーミング開始)
ーー宇宙戦艦トマトから情報を得た帝釈天アールタイプは加速する。そして、モコロはアールを呼び寄せた。また天地東西南北が判らない空間だ。アールからして、モコロが逆さまに立っていた。
「何してんの?」
「それはこっちのセリフじゃ。稲葉アール」
アールは体勢を立て直す。
「俺、また死んだの? ライガーを倒した手応えはあったんだけど」
「違う。アメリカの先行隊から第2の地球が見付かったとの事じゃ」
「ガンマスF1か」
「そうじゃ。ワシらの役目も後少し」
「俺達、AIはデリートされるのか?」
「まだ先じゃが、これからは人間達の出番じゃな」
「死にたくない…………」
「自我を持ったっていいじゃない、AIだもの」
「ふざけないでくれ」
「まあ何か不測の事態が起きても不思議ではない。ライガーの事もあるしな。その時のために緊急制御AIが用意されている」
ーー宇宙戦艦トマトはガンマスF1の大気圏に突入して着陸を試みる。気候を完全に地球化するためだ。同時に無人探査機を四方に放った。これは高等生物の有無を調べるために。
宇宙戦艦トマトが無事に着陸すると、再びブリッジが沸き立つ。ジョージ艦長は資材班に通達してハウスを建てさせる。白色の壁に緩やかなカーブをした円錐形や八角錐形の建物を複数作り、それを連結路で結ぶ。農場も作る。これは地球とガンマスF1の微生物の差異を埋めるための実験場となる。
順調にテラフォーミングを続けるアメリカ人の先行隊。するとジョージ艦長のモニターにアラートが出た。
「皆、聞いてくれ。今、無人探査機からの情報で6時の方向に人工物、町があるそうだ。高等生物の文明があるぞ。極東部隊のセオドア隊長、展開してくれ」
「イエッサー!」
「初めは友好的にな。抵抗するようなら皆殺しだ」
「イエッサー!」
セオドア隊長の極東部隊が大型ドローンに乗り、町を目指す。
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