津崎はいないが逞しく

 契約結婚の波が来ている。現実世界ではどうか知らないが、ハーレクイン系フィクション界には確実に来ている。


 説明しよう!ハーレクイン系とは、ざっくり言うと「ハッピーエンドの恋愛もの」を指す。


おそらく本来は最終的に男女が円満にくっつくのなら全部ハーレクインと呼ばれるのだろうが、昨今ではその中でも特に『ハイスペック男性』×『芯の強い女性』がすったもんだの末にくっつく作品がハーレクインと呼ばれている気がする。


たとえば、花より男子は正統派のハーレクインだ。(以下、花より男子のふんわりネタバレである)大財閥の跡取りでイケメンだけど横暴な性格の道明寺司が、一般家庭出身で気が強くて明るい性格の牧野つくしと出会い、初めは反目し合いながらも段々とお互いに惹かれていく………みたいなのが昔ながらのハーレクインストーリーであった。


 しかし最近、この王道の流れに一滴、『契約結婚』のエッセンスを加えた作品が爆発的に増えてきている(らしい)。


 たとえば反目し合う男女が突然本人たちの意に沿わない婚約をさせられて無理矢理同じ家に住まわされ、お互いに「なんでお前なんかと!」と思いつつ日々を過ごしていく内に段々と惹かれ合う、だとか。


 あるいは貴族や大企業の社長などで「本人に興味はないけど周りが結婚を急かしてくる」のに辟易している男性が、極度の貧乏など環境的な問題抱えた女性に「しっかりしてそう」「体裁が保てそう」等の理由で目をつけ、金銭的な援助と引き替えに形だけの結婚を迫る、だとか。


 そういうパターンがハーレクインの主流に加わりつつある。


 恐らく、というか確実に、この流行の火付け役になったのは、2年前に放送された新垣結衣&星野源主演の『逃げるは恥だが役に立つ』だろう。(以下、逃げ恥のふんわりネタバレである)頭が良く気の利く性格の主人公みくりが、仕事人間で人嫌いの津崎と『就職としての』結婚をした結果、二人の間に本当に恋愛感情が芽生えていく………みたいなストーリーである。


 みくりさん…顔面がガッキーという点以外には、親近感を覚えるキャラクタだ。


 彼女は大学院を出ていながら就職難の煽りをモロにくらって派遣社員となった人なのだが、何を隠そう、私も院卒の派遣社員である。


 ということは、私の人生にも星野源演じる津崎平匡的な人と出会うルートがあるのでは!?と思いかけたが、我が社の雇用形態的に派遣切りの憂き目に遭うことはないので、私が星野源のところに永久就職するルートは存在しない(作中で、みくりさんは派遣切りにあって無職になった後、父親の紹介で津﨑さんの家に家政婦として雇われる)。職を失わない代わりに出会いも昇給もない、地獄のルート一直線である。強く生きねばならない。




 ところで前回、生まれて初めて漫画を描いた(※ブログの方では前回の記事に漫画が載っている)。出来について自分で言うのは止めておこう。自虐は嫌いなのだ。


 描いてみた感想としては、漫画というのは、絵での表現力が足りない奴が描くと、詰め込める情報が極端に少なくなるということだ。絵で伝わらない部分を補うために文章をたくさん入れて、最終的によく分からないものになってしまう。今後はその点に注意して、まず2コマくらいから練習していこうと思う。

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