エピローグ 五月の連休に
その1 2週間後の現状
シェラとアミュはもとよりマリエラとジーナまで、結局我が家に居着くことになってしまった。
2人とも親の許可も一応取ったようである。
しかも来年4月からはシェラを含め3人ともこっちの高校に通うつもりらしい。
「魔法は無いし、授業の効率は極めて悪いぞ」
「でも向こうの世界以上の知識が身につくよね。それに向こうの学校、変なのが寄ってきて大変なのよ」
今回の件が公になったおかげで、マリエラやジーナを通じてあわよくば王室に繋がりを……なんて奴が出てくるようになったらしい。
「魔法移動で逃げられるだろ」
「そうだけれど色々うざいのよ。前はそれこそ危険物扱いだったのに」
「旧弊貴族はいらないなんて論文を書けばそうもなるよな」
「
「僕には変なのは特に寄ってこないぞ」
「ジーナは変人で通しているからね。私の方が与し易しと見られたのかしら」
おそらくその通りだろう。
議会や政治の方も一段落ついたようで、先週には今回の功労に対する叙勲及び叙爵式が行われた。
マリエラとジーナが男爵、シェラが伯爵、私が辺境伯だ。
称号をフルに言うとマリエラがトムリアット男爵。
ジーナがアビゴル男爵。
シェラがシャッコー伯爵で私はコンティオ辺境伯だ。
ちなみに称号家名フルだとコンティオ辺境伯タカハシ家のヒロフミ卿となる。
なおこの世界の爵位は地名こそついているものの、実際の領地と結びついている訳では無く単なる称号に過ぎない。
ただこの称号である程度政治上の地位も決まっていたりする。
まあ私達は通常議会に参加するわけでは無いから単なる名誉称号だけれども。
なおシェラの伯爵号だが、王子王女は成人すると一応爵位を持つらしい。
例えば
でも成人しておらず王位継承権第五位と下の方の王女が伯爵位を持っているのはかなり珍しいらしい。
それだけ今回の功績は評価されているという訳だ。
あとは今回の褒賞金として、私は金貨100枚を受けた。
これは今のところアイテムボックスに仕舞ってある。
金地金を取り扱う店で換金も出来るのだが、マリエラが稼ぎまくっているおかげで今のところその心配は無い。
何せこの騒動でかなりお金を使った筈なのに、現在資産を計算し直したところむしろ増えていたりするのだ。
金儲け専用未来予知魔法、恐るべしである。
なおマリエラとジーナは王家とコンティオ辺境伯タカハシ家との連絡任務も負っており、爵位報奨金とあわせ年あたり金貨30枚の永久収入を得ている。
まあ色々あって皆さん、当分お金に困る事は無さそうだ。
あと、辺境伯に叙爵された後、シェラと私の婚約も発表されてしまった。
婚姻という話もあったのだが、私の希望を強く強く
そりゃシェラは綺麗だし可愛いけれど、まだ結婚はまずいだろ。
なお同時にシェラとアミュを辺境伯タカハシ家、つまり私の家で養育する事も許可された。
実際はあくまで現状追認以上の意味は無い……無いよなきっと。
そう私は自分に言い聞かせている。
あと話題と言えば車を買い換えた。
軽自動車だと全員で乗るにはやっぱり狭いからだ。
新車はオフロードもバリバリ走れるミニバンの8人乗り仕様。
万が一アトラスティアに行った際にも使えるようにである。
昨日納車されてGW後半戦に間に合った。
まあ誰も日本の休日に左右されるような事はないのだけれども。
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