その4 遊園地デート?(その2)

 何処へ行こうかな、そう私が考えるまでもなかった。

 アミュにひっぱられ、『トーマ●とパ●シーのわくわくライド』という、要は遊園地の電車型アトラクションへ。

 なお今日の担当機関車はジェー●スと書いてあった。

 何故だ! アトラクション名と違うだろ!

 でもまあそんな訳で客車の中程の席にシェラとアミュが並んで乗車。

 私がその後ろへ。

 外国人観光客もちらほらいるので2人とも目立たなくていい。


 案内役のお姉さんがジェーム●に乗って発進!

 うん、昨日DVDで図らずも機関車●ーマスの予習をしてしまったので、なかなかこれは楽しめる。

 トーマ●の仲間だの風景だのが再現されているのだ。

 アミュやシェラも楽しそう。

 特にアミュはもう喜びのあまり笑いっぱなし。

 同行しているガイドが色々説明してくれるので何処に何がいるか見逃す事は無い。

 でも少しの間だけ見えるキャラクターもいるので油断出来ない。

 うん、なかなか良く出来ている。

 単に移動するだけの園内鉄道とはえらい違いだ。


 そしてジ●ームスが牽引する列車は物語に出てくる名前の駅に到着。

 雰囲気はばっちりだ。

 だがその駅の実態は、機関車トー●ス関連のグッズを売りまくるお店だった!

 これは世のお父さん方は大変だな。

 思いっきり散財させられそうだ。

 案の定アミュだけでなく、シェラまで引っかかっている。


「この機関車の顔って最初は気持ち悪く見えましたけれど、見慣れると可愛く見えますね。それに何か色々面白い物も売っていますし」

 2人ともお菓子で立ち止まり、玩具で立ち止まり、Tシャツを見たりと引っかかりまくっている。

 これは危険だ。


「取り敢えず他の乗り物にも乗ってから買いに来よう」

「うん、わかった」

 アミュは聞き分けが良くて大変よろしい。

 つい習慣で頭を撫でてやる。濃い茶色のさらさらな髪が気持ちいいな。

 ところで他のグループはこういったトラップ、大丈夫だろうか。

 何せこういう娯楽系統に皆さん免疫は無いだろう。

 まさか1グループ10万円の予算を使い切ることは無いよな。

 一応予備で更に20万ほどこっそり持ってはいるけれどさ。

 これは別の場所で使う予定だから、出来れば使いたく無い。

 ちょっと心配しつつ店を出て次のアトラクションへ。


「次はどこへ行きたい?」

「いっぱい動くの!」

 取り敢えずアミュは特に意見は無い模様。

 どうもさっきの園内鉄道がお目当てだったようだ。

「シェラは何か行きたい場所あるか?」

「何を見ても面白そうなので、お任せします」


 なるほど。

 それなら今度は少しジェットコースター系がいいな。

 勿論アミュも乗れる範囲でだけれども。

 そんな感じで歩いて行くと船型のジェットコースターみたいなのがあった。

 いわゆるスプラッシュマウンテンの子供版みたいなものかな。

「これにしよう」

「うん!」

 そんな訳で乗車。

 ちょうど3人で1つの乗り物を占拠できた。

 ちなみに前から小さい順、つまりアミュ、シェラ、私の順だ。


 係員の、

「行ってらっしゃい、ボンボアージュ!」

の声で進み始め、そしていきなりストンと坂を落ちる。

「おおっ」

「わっ」

 ちょっと水がかかった。

 アミュは楽しそうで、シェラはちょっと驚いた感じ。

 その後は水の上をすーいと船は滑っていく。


「今の面白かった!」

「いきなりでちょっと驚きました」

 そう感想を言い合っていると、蒸気自動車型の名前不明なキャラクターがいた。

「あ、ト●バーだ!」

 アミュは私より詳しい模様。


 そしてまた船は坂を上りはじめる。

「これってまた……」

「多分そうだろ」

 上って上って上って、さっきより上った上から今度は下り坂になって加速して……

 バッシャーン!

 さっき以上に水が跳ねたがもうアミュが喜びまくってきゃあきゃあ変な笑い声を立てている。

「確かに怖いけれど面白いかもしれないです」

 シェラも少し慣れたようだ。


 さらに上では飛行機のキャラクターもお出迎え。

 そして水車小屋の脇をゆっくり回ったら最初の場所でゴールだ。

 うん、なかなか面白かったかな。

 降りてアミュが開口一番。

「もう一度乗りたい!」

 まあ確かに面白かったかもしれないな。

「私もまた乗りたいです」

 シェラまで。

 人数もそんなに並んでいないしまあいいか。

 そんな訳で再び同じスプラッシュマウンテンもどきに並ぶ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る