第138話 ちょっとだけ考察してみたりしてみなかったり
健太がポカーンと口を開けていて間抜けな顔をしている。リノは顎に手をあて何か考え込んでいるみたいだ。一方止めを刺したファーナさんは眉を寄せて渋い顔をしている。
「なるほど…ね」
「な、なあ…なんで炎に攻撃できたんだ?」
どうやらリノは気がついたみたいだ。
「つまり簡単言うと、あれはデュラハンじゃなかったってことだな」
「…デュラハンっぽかったけど、違うって言うならなんだったんだ?」
「名前は知らんけど、馬部分と頭部鎧と胴部鎧を着ていた3匹の魔物だな」
「なんじゃそりゃあああああああーーっ」
つまり俺達はあの外観からデュラハンだと思い込み、炎がただのその形の魔物だとは気がつかなかったってことだ。まんまと騙されていたんだな。
「ううーん…なんかうるさいわねぇ」
お、健太の声でミネが目を覚ましたみたいだ。すぐにリノが駆け寄り様子を見ている。するとすぐに立ち上がってこっちに向かって来たのでどうやら大きな怪我は本当に無かったみたいだ。
「ボスは…終わったんだね。あーよかったぁ」
ミネは宝箱が並んでいるのを見て倒せたことを確認出来たみたいだ。まあ詳しいことは聞きたかったらリノに聞けばわかるから説明は省略だ。
まあ何はともあれこれで次は7階層へと進めるな。残りわずかになってきたからここらで一度レベル上げとかしたほうがいいのかもしれないが、それは7階層の様子みてからでもいいかもしれない。これだけの人数で狩れるのはそれだけ安心感もあるということだな。
「まあ…お宝をいただこうぜっ!!」
少しだけ納得の行かない顔をした健太が宝箱へと駆け寄る。それに頷きみんなも宝箱へと近寄っていった。まあどれをあけてもランダムだし、結局話し合って分けあうのだから急ぐ必要はどこにも無い。俺は一番最後に余っていた宝箱の前へと進んでいった。
「うっし。早速開けるぜ!」
その声とともにみんなが次々と蓋を開けていく。まああけたところで未鑑定品なので形状しかわからないわけなんだが。
「なん…だと?」
「ん?」
「あら」
「あれー?」
「ふむ…」
健太、俺、ファーナさん、ミネ、リノと宝箱の中を覗きこんだ後声を上げた。みんなそれぞれ中身を見て驚いているみたいだ。まあもちろん俺も驚いた。手をいれ取り出したのはスクロールが1つ。周りを見てみるとみんなそれしか取り出していない。どうやら今回は装備は何も出なかったみたいだ。
「ちょおおおおーっ 俺のマントはっ?!」
そんなこといわれても知らんがな…それにまあ誰も欲しいとは言わないが別に健太のマントではないと思うぞ?
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