第136話 6階層ボス戦3
リノはミネを壁際に連れて行くとこっちへ戻ってきた。壁に寄りかかっているミネの前には少し離れて健太が待機している。本人の意識が無い以上放置が出来ないからだ。
「ミネは大丈夫か?」
「ん、ちょっとかすっただけ。むしろ、音に驚いて、気絶、してた…」
大怪我じゃなくてよかった。さて、後はこちらに向かってきている鎧だけだが…ミネの魔法でも倒せなかったということは俺の魔法じゃあ魔力使い切っても多分無理だろう。というかあれか? リビングアーマーみたいに鎧の破壊をすれば良いんじゃないのだろうか。まあ試してみるしかないよな。
「リノ、ファーナさん。物理的に破壊の方向で!」
「なるほど…わかった」
「じゃあ私は短剣だねっ」
「よっすー俺は?」
「健太はミネが起きるまでは待機で」
「ぐぬぅ…しかたない」
真っ先に走り出したのはリノだ。やはりミネを怪我させられたことを少し怒っているのかもしれない。小さな身長を利用して足元へと滑り込みやはり足を狙う。リビングアーマーのように転ばせたいのだろう。だが、デュラハンは大きい分どっしりとしていて簡単には転んでくれない。軽くよろける程度だ。
そこに後からついていったファーナさんがポーチから取り出したロープをデュラハンの左腕にひっかけ、ぐらついた進行方向へと引っ張る。リノのやりたいことをわかった上での行動だったのだろう。2人の攻撃でデュラハンは尻餅をついた。大きいだけあって少しだけ振動を感じた。
これをチャンスとリノとファーナさんは足を狙って間接部分の破壊に挑む。デュラハンは槍を杖のように地面に突き刺し、立ち上がろうと行動を始めていた。
俺はさっきファーナさんがロープで引っ張ったことで落ちたデュラハンの頭部を見つめた。ただの飾りだろうか…じっと見ていると横たわっていた頭の鎧が起き上がり体のほうへと移動を始めた。
「…は?」
頭が歩くとか聞いてない。体側の鎧を見る。動いている…頭も動いている。ボスは2体なのか??
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