第113話 5階層ボス戦1
余力を残しつつどう倒すか考えなければいけなくなった。これはボスから逃げるのが無理だと言うことと、もしかしたら倒せば出口があわられるかも知れないという期待からだ。交代でボスをひきつけながら各自荷物の確認とスキルや魔法を確認する。そのなかで使えそうなものを選び出し作戦を考える。
「よっすー…なんでそんなもん持ってきてるんだ?」
「合成とかに使えるかもしれないだろう?」
俺の荷物に入っていたものを見て健太がいやそうな顔をした。もともと戦闘力の低い俺と健太は道具とかスキル、それと魔法を使わなければ厳しいのだ。使えそうなものはなんでも用意してみるべきだろう。
全員の持ち物などの確認を済ますと、俺は2回に分けてみんなに説明をした。これでやれるかどうかの判断を確認する必要があるからな。
「そうね…ミネの魔力不足がなければ、やれた、けど…ないものはない。なら、その作戦でいいわ」
「ほんとうにそれでやるのよね…一度にそれだけの矢を打つなんてそうないわよ?」
まあファーナさんの言いたいこともわからんでもない。少しづつ使っていて無くなる事はあるだろうが、今からはその残りの矢を無くなるまで打ち続けてもらうのだ。きっとかなり大変だろうががんばってもらいたい。
「おーいそろそろ始めるかーっ?」
ボスの注意をひきつけていた健太が大きな声で俺に聞いてきた。今リノとファーナさんにも説明を終えたのでこれで始めることは出来るだろう。後は成功を祈るしかないわけだ。
「ああ始めるぞー」
「わかったわっじゃあ『バインド』!!」
ミネが足止めの魔法『バインド』を使用した。これでしばらくボスは移動することが出来ない。それでも流石にボスだけあってその拘束時間は長くはない。
「ファーナ!!」
「はいっ」
次にボスが動けない間にファーナさんが矢を打ちまくる。もちろん鱗のない箇所だ。少しでもダメージを与え体力を減らすのが目的になる。途中2度ほど『バインド』をかけなおすことになったがファーナさんの矢が尽きた。
矢が飛ぶのがやむと次に健太の番だ。俺が持っていた皮袋を3つほど手に持ち『フライト』を使用しボスへと近づく。
「これでもくらえええぇーーーっ!!」
ボスの顔の辺りで皮袋をナイフで引き裂くと中身をボスにぶちまけた。
ギャオオォォーーッン
大きな声を上げその場でボスは暴れだす。健太がぶちまけたのはスライムのドロップ品の酸が入った皮袋だった。これで直接周りを見るのも困難になったはずだ。
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