第68話 ボス戦の後
塵になって消えたモックンがいた場所を俺達は今眺めている。まさかボス戦がこんな状態で行うことになるとは思っていなかった俺達は、お互いの顔を見るとなんだかおかしくて笑い出してしまった。ひとしきり笑い合うと思ったよりも危険な状態だったことに気がつき俺は力が抜けその場に座り込んでしまっていた。
「ああああああーーーっ」
声に驚きその声の主であるファーナさんのほうを見ると、どうやらモックンがいた辺りを眺めているみたいだ。
「なんだなんだ??」
「ここからじゃ宝箱手に入らないじゃないっ」
「まあそうだろうな…」
つまり結局はこのままボス部屋のところまで進まないといけないということだ。でも今はもう少しだけ休ませて欲しい。
「なあ、ボスの宝確認して4階層へいけるようにしたら、数日休みにしないか?」
「なんだって!?」
「お休みですか?」
「ああ、あー…3人での行動がお休みってことな。1人で来るのは勝手にすればいいし。それにあの双子から少し離れておきたいだろう?」
「なるほど…それもあったね」
数日こなければあの2人との攻略速度にも差が出てくるだろうし、会う頻度も減るだろうからな。そうすれば関わることも減るだろうし、貴族の関係者だとしても会わなければそれだけで心配事も減る。
「じゃあー実際何日休むよ?」
「そうだな…3日か5日くらいか?」
「ちょっ流石に5日は長すぎだろうっ3日3日で!」
「ファーナさんもそれでいい?」
「全然いいよーおやつ食べれないのが少し残念だけどね…なんてっ」
えへへっとファーナさんは冗談も混ぜてきてこの場を和ませてくれる。まあ冗談…なんだよな?そう思っておいたほうが平和か…
「そろそろ行こうか」
「おっけーぃ」
立ち上がった俺達は再びボス部屋を目指して歩き始めた。もちろん道中にはイノランタとトンヤーがいるのでそれを狩りながら進む。相変わらずトンヤーに夢中なファーナさんとトンヤーをぶら下げる健太を見ながらだから、さっきまでのことが嘘みたいに平和だ。それから30分ほどして俺達はボス部屋にたどり着いた。どうやら双子はこっちには来ていないみたいだ。
俺達は3つ並ぶ宝箱の前に並び一斉に箱の蓋を開ける。宝箱を開けるのがすでに5回目でずいぶんと慣れてきたもんだ。さっと中身を回収するとさっきまで目の前にあった宝箱が消えていく。
さて、宝箱の中身だが…筒が3つと斧と弓となんか長い棒だった。
「この棒はなんだろう…」
「棍という種類の武器だね。叩いたり突いたり回したりして使うものだよ」
「あーまあ誰も使えない武器だな」
話を聞いたところ練習しないと難しそうなものだな。殴る点では普段の俺でも使えそうな気がするがそもそも長さが違いすぎて振り回されそうだ。
「じゃあ4階層ちら見して帰るか」
「うーす」
俺達はタッチパネルを操作し4階層へと脚を踏み入れる。4階層につくと今度は薄暗くなり再び洞窟のような場所で、それだけ確認した俺達はすぐに1階層へと引き返した。
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