第32話 最終確認
1日しっかりと休んだので今日は今度こそボスへと挑む。朝食を済ませプレハブから地下のダンジョンへと俺と健太は足を運んだ。今日はボスに挑むのが一番の目的なので地図を確認し、最短ルートでボスがいる部屋へと進む。道中に見かけるスライムはさくさくと狩り、色つきのスライムに合うこともなく扉の前に着いた。
「いよいよだな…!」
「ああ…とりあえず健太は落ち着け」
「いや、ヨシオも落ち着いたほうがいいと思うけど?」
扉の前でそわそわとしていた俺と健太はファーナさんに言われまずは深呼吸をした。そのあと気合を入れるために両手で頬を叩く。気合は十分だ。
「入る前に最終確認をしましょうか。装備はちゃんと装備出来てますか?途中で外れたりしたら目も当てられませんよ。後回復剤は直ぐに取り出せるようになってますか?使いたいときに使えないと無駄な行動が増えますよ。」
俺と健太は装備の最終確認と回復剤を確かめる。とくに問題はなさそうだ。回復剤は直ぐに使えるように小さなポケットが連なったものを作り腰に下げている。その反対側には使用済みの瓶をしまう袋もある。空瓶を転がしておくと踏んで危ないし、空瓶でもマーケットで買い取ってくれるので捨てるのはもったいない。
俺達は頷きあいファーナさんのほうを向いた。ファーナさんと目が合うと柔らかい笑顔を浮かべ頷いていた。
「じゃあ軽く食事にしましょうか」
「…すぐ入らないのか?」
「短い距離とはいえ少し狩りながら来たから、水分と糖分を補給して足を少し休めましょう。私達は初心者なんだからこのくらい慎重にやったほうがいいからね」
驚いた…最初スライムに囲まれて困っていた人とは偉い違いだ。ファーナさんもダンジョンをこなすようになってきて色々考えれるようになったんだなーとしみじみ思ってしまう。だけどこれは流石に出来すぎな気がする。
「ファーナさん…もしかしてなんだけど」
「何かしら?」
「誰かに何か吹き込まれたり、何か本とかで勉強でもした?」
この言葉にファーナさんが目を見開いた。すごくわかりやすい反応だが一体どっちが正解なんだろう。
「え…えっ?えーと…ちょっと出来るお姉さん的なことをしてみたくて…」
「そもそもファーナさんは僕達より年下じゃない」
「あ、う…」
言葉に詰まり視線を彷徨わせる様子はどう見ても何か隠しているのがわかる。
「そういえばファーナさん初めあったころと違うな…言われるまで気がつかなかったよ!」
「うぅ…」
とうとうファーナさんは涙目になってしまった。じっと俺と健太が見つめる中観念したのかファーナさんは口を開いた。
「うわーんっこれもすべてお菓子がおいしすぎるのがいけないのよーーーっ」
「「…は?」」
意味がわからない…
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