第559話 鬼人無限組手終了

 ケビンが鬼人族の集落に来て5日目、鬼人無限組手はもう終わりを迎えようとしていた。


 集落に来てから2日目に始まった鬼人無限組手。並み居る男女を倒していたケビンは女性に関して言えば閨に誘ったこともあり、続く3日目は鬼人無限閨組手で女性相手限定の戦いをして、翌日の4日目にはそのことが原因で血の涙を流しながら男性たちが襲いかかり、そして本日となる5日目にはほぼほぼ集落の男性たちを倒し終えたのだ。


 この鬼人無限組手で何故無謀にもヴァンの攻撃を躱していたケビンに男性たちが挑んだのかというと、ケビンがヴァンの攻撃を避けられていたのは『ヴァンはもう歳だから体の動きが悪かったんだ』と、現実逃避をしていてその実力を認めようとはしていなかったことが要因としてある。しかしながら一部の男性たちに関してはケビンに対して個人的な恨みを持ち、挑むに値するという理由も含まれてはいるが。


 だが、実際に戦って殴り飛ばされると紛れもなく実力だったのだと感じ取ってしまい、2戦目を挑む者が現れず奇しくも鬼人無限組手は無限となることがなかった。


 そのようなこともあり、ケビンは実質3日で鬼人無限組手をほぼクリアすることとなってしまい、残る相手はヴァレリアの父親でもあるヴァンのみを残すこととなる。


「クソジャリ……よくぞここまで鬼人無限組手に耐えた」


「いや、相手がワンパンで終わったということもあるし、そこまで耐えたっていう感覚はないですね」


 せっかくヴァンがそれらしい雰囲気を作ろうと口にしていたのに、ケビンは空気を読まずあっさりとした回答を返しており、その言葉を聞いたヴァンのこめかみがピクピクとしていたが、ケビンは全く気にも止めやしない。


 そして初日と同じで再び相対する2人は、鬼人無限組手を終わらせるために最後となる戦いの火蓋を切った。


「行くぞ、クソジャリぃぃぃぃ!」


 ヴァンの剛腕から繰り出される拳をケビンは初日のように躱すことはせずに、迫り来る拳に自身の拳を当てにいく。その度に鳴る拳と拳がぶつかり合う音に、鬼人族のギャラリーたちが息を呑む。


「1発殴らせろぉぉぉぉ!」


「さっきから何度も俺の拳を殴ってるじゃないですか」


 だが、鬼人族たちが見守る熱い戦いとは裏腹にヴァンはケビンを殴ることに執念を燃やしていて、全く熱い漢たちのバトルという風にはいかない。


「俺の可愛いヴァレリアを、ヴァレリアをよくもぉぉぉぉ!」


「俺にも娘がいるのでその気持ちは痛いほどよくわかりますよ。お義父さん」


「お前にお義父さんと呼ばれる筋合いはなぁぁぁぁい! お前を倒してヴァレリアとの結婚はなかったことにしてやる!」


「でも、俺が奴隷商で買って結婚していなかったら、ヴァリーは変な奴に買われて死んでいたかも知れませんよ?」


「…………奴隷商?」


 ケビンの言葉を聞いたヴァンが攻撃の手を休めると、ポカンとした表情でくだんの言葉を口にした。それに対してケビンはヴァレリアとの馴れ初めを説明していき、それを聞いたヴァンは今更ながらにヴァレリアが奴隷狩りに遭っていたことを知る。


 しかしながらそれは致し方ないことでもある。ヴァレリアが集落に帰ってきてからというもの実家で寝泊まりせずに、ずっとケビンと一緒の宿屋に泊まっていたせいで、ヴァンとの会話などファーストコンタクト以外していないのだ。


 更にヴァレリアのしている奴隷の首輪は全く奴隷の首輪に見えない、ファッション仕様であるケビンが創り出したチョーカーだ。誰がどう見てもそれを1発で奴隷の首輪と言い当てることができないのもそうだし、本来の首輪が持つ効果をケビンは必要ないからと言ってつけていないので、奴隷の首輪でありながらただのチョーカーでもあるのだ。


「ヴァレリア! いなくなったのは武者修行の旅ではなかったのか?! 『修行してくる!』と言って出かけていたじゃないか!」


「1人で鍛錬してた時に眠らされたみたいで、気づいたら檻の中だったぞ」


「な、なんだとぉぉぉぉ!?」


 ヴァレリアの口から語られたことによりヴァンの怒りは愛娘を取られたケビンではなく、ヴァレリアを誘拐して奴隷に落とした奴隷狩りへと傾いてしまった。


「殺してやる人族! 戦争だぁぁぁぁ!!」


「まあまあ、落ち着きましょうよお義父さん。今は鬼人無限組手の最中でしょう」


「貴様ぁぁぁぁ! まだお義父さんと言うかぁぁぁぁ!!」


「ケビン、うるさいからもうぶっ飛ばしていいぞ」


「ヴァレリア?!」


「俺を攫った奴隷狩りを捜したところで見つかるわけねぇだろ。そんな簡単に見つかるなら魔族が奴隷狩りに遭ってねぇよ。ケビンにぶっ飛ばされて頭でも冷やすんだな」


「ぐぬぬ……」


 まさか愛娘から正論を言われるとは思わなかったヴァンは、やり場のない怒りをどうするか判断に迷うが、それを見ていたケビンは口をポカンと開けてしまっていた。


「ヴァ、ヴァリーがまともなこと言ってる……」


「おい、ケビン! 俺はいつもまともだぞ!」


 ケビンの物言いに対してヴァレリアがプンスカしていると、呆気に取られているケビンにヴァンが殴りかかる。


「ちっ、当たらんか……」


 そのヴァンの不意打ちに対してケビンが即時反応しその場を離れたら、ヴァンの拳はケビンの元いた場所の空を切っていた。それから再びケビンに殴りかかっていこうとしていたヴァンだったが、ここにきてケビンが自ら仕掛けていったので、ヴァンはケビンの繰り出す拳の対応に追われてしまう。


「なんのっ!」


「まだまだ!」


「ぐっ……」


「ちょっと待て!」


「い、いや、待てと言ってるだろ!」


「おいっ!」


「待っ……」


「ぷげっ……」


 徐々にペースアップしていったケビンの拳に対応しきれなくなり、とうとうヴァンは地面に伏すと動かなくなってしまった。そして地面に伏すヴァンを見ながらケビンが終結の言葉を口にする。


「終わりだな……」


 鬼人族のギャラリーが唖然とする中でケビンが嫁のところまで歩み寄ると、嫁たちにはわかりきっていた当然の結果だったのだが、ケビンの勝利を称賛しながら迎え入れたのだった。


 その後、ケビンが回復魔法をかけたおかげで意識を取り戻したヴァンに、改めてケビンがヴァレリアとの仲を認めるように伝えると、ヴァンは渋々だが鬼人族の風習に倣いケビンとヴァレリアの仲を認めることになる。


「ところでお義父さん」


「俺に勝ったからってお義父さんと呼ぶな! ヴァンと呼べ! 俺の目の黒いうちは絶対にお義父さんと呼ばせないからな!」


「それでお義母さんは何処に?」


「……家から出ないように伝えてある」


「なぜ?」


「お前が女と見れば見境なしに閨の賭けをしているからだ! 嫁がお前に惚れたらどうするんだ!」


「え……でも、ヴァンお義父さんも他所の夫から妻を取ってますよね?」


「俺はお前と違って閨の賭けなんぞしてない! だからセーフだ! あと、お義父さんを付けるな!」


「いやいや、ヴァン……にも余曲折はあったが、しあたって、ー……最終的には同類かなという結論に至るんだけど」


「…………? 何かヴァンて呼ばれたのに腑に落ちねぇ……お義父さんと言われた気がする……」


 ケビンの言葉遊びに気づけなかったヴァンは頭を捻って困惑顔になるが、ケビンはそんなヴァンにとりあえず母親に挨拶をさせて欲しいと言ったところ、渋るヴァンがそれに応じることはなかったので、仕方なくケビンはヴァレリアに家へ案内するように頼む。


 それから喚くヴァンを置き去りにしたケビンたちは、ヴァレリアの母親に挨拶するために実家へと向かう。そして集落の中で1番大きい家に到着すると、ヴァレリアは実家ということもあり何の遠慮もなしにドアを開けたら帰宅の言葉を口にした。


 それにより家の奥からゾロゾロと女性たちが姿を現し、変わらないヴァレリアの姿を見た女性たちは本人だとすぐに理解する。それから優しく抱きしめて挨拶を交わしていった後にケビンが挨拶や馴れ初めなどを話すと、ヴァレリアの母親らしき人がケビンに声をかける。


「娘を助けていただきありがとうございます。私はヴァレリアの母親であるメリルです。ヴァレリアがやんちゃで色々と困ったでしょう?」


「俺を子供扱いするな!」


「はいはい。貴女も子供を産んだのならもう少し落ち着きを持ちなさい。それだといつまで経っても子供のままよ」


 さすが母親と言うべきかヴァレリアの扱い方は心得ているようで悔しがるヴァレリアが地団駄を踏んでいると、メリルはそれに構いもせずにケビンたちをリビングへと案内する。


 そしてお茶を飲みながら里帰りをした経緯などを話しているところに、置いてけぼりにされていたヴァンが姿を現した。


「クソジャリ! 妻に手を出してないだろうな?」


「そんな短時間で手を出せるわけがないでしょう。今は里帰りをした経緯を話していたところですよ」


「あらあら、誰かと思えば元族長じゃない」


「メリル?!」


 ケビンに声をかけたヴァンに対して、横から聞き捨てならないことを口にしたのを聞いてしまったヴァンが驚きの声を上げてしまい戸惑っていると、メリルからつつかれたくない部分をオブラートに包むことなく口にされてしまう。


「義理の息子に負けたからって鬼人無限組手を強制して更に負けたのでしょう? 未だかつてないくらい恥を晒した歴代最低の族長ね」


「い、いや……それは……」


「ヴァレリアもそう思うわよね?」


「親父は1度負けたくせに難癖をつけてダセーし、ヴァンスの名前を変えたくなるほどだ」


「ヴァレリア?!」


 まさか妻に引き続き自分のことは棚に放り投げる娘からも手痛い言葉を投げかけられてしまったヴァンは、今までにないほど落ち込んでしまいその元凶でもあるケビンをキッと睨みつける。


「新族長に対してその態度はないのじゃない?」


「ぞ、族長?!」


「だってそうでしょ? 鬼人無限組手は族長を決める儀式。それを成し遂げたケビンさんが新たな族長になるはずよ?」


「こ、こいつはそもそも鬼人族じゃない!」


「その鬼人族じゃない人族相手に鬼人無限組手を強制したのは誰かしら? しかも鬼人族の強さを見せつけるどころか全員返り討ち。挙句の果てには族長までもが負けてしまう始末」


「そ、それは何かの手違いであって……」


「これ以上恥を晒すのなら、私たちはあなたと別れてケビンさんのところに嫁ぎなおすわよ? いつまでも負けを認めないウジウジした元族長よりも、ケビンさんの方がよっぽど男らしいわ。しなくてもいい鬼人無限組手を受けてくれた上に、全員倒しちゃうんだもの」


「ぐっ……」


 ずっと傍観していたケビンはヴァンと妻たち夫婦間の問題であったため口を挟まなかったが、このままでは鬼人族の族長にされてしまいそうなのでそれは阻止しようと口を挟んだら、ヴァンをこのまま据え置きの族長とすることを提案して、何とか面倒くさいことにならないよう手回しをした。


 それによりヴァンはお情けの族長として続投できることが決まり、ケビンの目的であった避難提案はヴァンが他の者たちを説得して回るという役回りとなって、説得した上でこの地に残り戦争に参加する者たちに関しては、ケビンも仕方がないものとして諦めることを告げる。


 そしてメリルから「さっさと説得に行ってこい」と言われてしまったヴァンは、帰ってきたばかりだというのにメリルによって家から追い出されるのであった。


 それを見たケビンは『これが本当の“鬼嫁”なのでは?』と、ふと思い至ったが決してそれを口にすることはなかった。触らぬ鬼嫁に祟りなしという言葉が頭をよぎってしまったがゆえに。


「恐らく女性たちはみんな避難するでしょう」


「戦う人とかいないんですか?」


「ケビンさんが手篭めにしたでしょう? 戦争に参加するよりも気持ちいいことを教えこまれたんじゃ、今更誰も戦争には参加しませんよ。私たちも一緒に行こうって誘われたくらいですから、よっぽど気持ちが良かったんでしょうね?」


「あ……あはは……」


 舌なめずりをしてくるメリルにケビンはタジタジとなり、言葉はなく苦笑いで返すことしかできなかった。


 そのような会話をメリルたちとしながら時間を潰していたケビンは、そろそろ夕刻となってきていたので宿屋に帰るためにお暇することにしたら、メリルから泊まっていくことを薦められるが、ケビンはヴァレリアとヴァンスを泊まらせて実家を満喫するように伝えると、あとのメンバーを連れて宿屋へと帰っていく。


 そして宿屋に帰りついたケビンが中に入ると、女性たちで溢れかえっていたので理由を尋ねたところ「帰りを待っていた」とのことで、今日も今日とて閨組手をすることとなり、今回は嫁たちも混じえた無差別無限閨組手を開催することにして、この日もケビンは全員を相手取り討ち取ることに成功した。


 それから数日が経ったある日、ヴァンの説得業務が終わりケビンの避難提案に参加する鬼人族が決まることになる。ちなみにヴァンが奔走している間のケビンは、待ちの間にすることがもうなくなったので、24時間体制で閨組手を開催しており、ヴァンと違って悠々自適な生活を送っていた。


 そして避難する者たちが集まったところで、ヴァンがケビンに報告を行う。


「クソジ「あなた?」……ケ……ケビン、ここにいる高齢者と女子供は全員避難だ。男は一部の者たちが残って戦いに身を投じると言っている」


「やはり残る人が出ましたか。まぁ、その人たちは自己責任でこれからのことは頑張ってもらいましょう」


「あいつらも馬鹿じゃない。近場にある鬼人族の集落に向かうだろ」


「えっ!? 鬼人族の集落ってここだけじゃなかったの?」


「当たり前だろ」


「聞いてた話とはだいぶ違うな……」


 そう言うケビンは情報の齟齬を解決するために、改めて魔族というものの存在をヴァンに尋ねていき、それによると族長というのはその集落を束ねる者の敬称であり、種族を束ねる者の敬称ではないということだった。


「インキュバスやサキュバスどもは、元々の数が少ないからそういう考えなんだ。あいつらは戦闘向きの種族ではないから、殺されやすく個体数が少ないのが原因だ」


「そういうことか……」


「で、荷物をまとめるのに何日の猶予がある?」


「あ、それならご心配なく。家ごと引っ越ししますので」


 それからケビンは避難する人たちの家を回収していき、それを見せつけられている鬼人族たちは顎が外れそうなほど口が開いてしまい、サキュバスたちの引っ越しの時に比べると残る人もいるのでまだマシなのだが、鬼人族の集落は元の面影を残さないほどに閑散とした集落に成り果ててしまう。


「お義父さん、ちょっとお聞きしたいのですけど」


「お前におと「あなた?」……聞きたいこととは何だ?」


「今後も戦いに身を投じたいのなら、ドラゴンが住んでいる集落の近くに引っ越しするっていう手があるんですけど、どうします?」


「ばっ、馬鹿かお前は! いくら戦いが好きな鬼人族でも、ドラゴンに喧嘩を売るなんて真似をする奴がいるわけないだろ! そんな所は却下だ!」


「では、サキュバスの集落の近くに引っ越ししましょう。近場に街もありますしダンジョンもあるので、生活には困らないかと」


「サキュバスだと? ここから北東に歩いたところじゃねぇか。全然避難になってねぇぞ、むしろ戦地に近くなってるじゃねぇか」


「いえいえ、そこにはもうサキュバスの集落はありませんよ。引っ越ししたので」


「……は?」


「言ってませんでしたかね? ここに来る前はサキュバスを避難させたんですよ」


「あ、ありえねぇだろ!? 相手はサキュバスだぞ! あそこを治めてるのはサキュバスクイーンで魔王の1人なんだぞ! お前が男である以上は絶対に勝てない天敵とも言える相手だ!」


「勝ちましたよ。それで今は嫁にしてますね」


「へ……?」


 ケビンの言葉に意味がわからなくなってしまったヴァンはポカンとしてしまうが、ケビンと閨組手をやっていた女性たちは納得の表情で頷いていたのだった。


 その理由として、ケビンから絶え間なく快楽を刻まれていた女性たちの考えとしては、一様にあの凄まじい絶技にかかればたとえサキュバスクイーンと言えどもひとたまりもないだろうと、簡単に想像のつく範囲だったからだ。


 そのような中で行き先が決まったこともあり、ケビンはサクッと転移をしてサキュバスの集落がある近くの森林地帯に移動する。そのケビンの行動に嫁たちは慣れているので何とも思わないが、慣れていない鬼人族たちは当たり前のようにヴァンと同じくポカンとしてしまっていた。


「ここは……どこだ?」


 ヴァンが口にしたことでケビンがいつも通り説明をすると、鬼人族たちは一様に遠い目をして空を見つめてしまう。そしてケビンはそれに構いもせず地ならしを行っていき、鬼人族たちの家をポンポンと出しては元の配置など覚える気すらなかったので、独断と偏見により見栄えよく並べていく。


 その後全ての作業が終わったところでケビンは西に行けば街があることや、戦いの場となるダンジョンがあることも伝え、ダンジョンに潜るなら冒険者登録をした方がお得だと言うことを説明したあとは、サキュバスたちに鬼人族が引っ越ししてきたことを教えるために、ヴァンたちを連れて行くのだった。


 そしてサキュバスの集落に到着したケビンは、鬼人族たちがご近所さんになったことを伝えていき、あまりすることがなくて暇を持て余しているサキュバスたちに仕事を与えることにする。


「とりあえずみんな暇だろ? ここで農業をやってもらうことにするから」


「農業って何を作るの?」


「小麦を育ててもらう」


 それからケビンはサキュバスたちに輪作を教えこんで小麦を栽培してもらうことにすると、サクッと農地を作り上げたら強力粉、中力粉、薄力粉用の小麦に付け加えて、パスタ用にデュラム小麦を足した計4種類の小麦の種を【創造】によって創り出した。


「秋になったらこれを植えて小麦栽培だ。今は夏野菜でも作ってもらうか」


 そう言ってケビンは適当に夏野菜の種を創り出したら畑にばら蒔いて水やりをすると、今後はその役目をサキュバスたちにやらせるため説明をしていく。その後は農地近くに水場を作り上げて散水用に仕上げたら、あとのことはサキュバスたちに任せてヴァンたちを集落に送るのだった。


 こうしてケビンは避難民のお引っ越し作業を終えて、帝都の東に魔族地区を勝手に作り上げてしまい、そのことを配下の貴族たちが知るのはまだまだ先の話となるのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る